胃酸に強い乳酸菌はどれだ?!乳酸菌の個性と研究結果のはなし




乳酸菌が死んでても生きてても、私たちの腸内環境にとって、とても良い働きをしてくれることは、少しずつ世間に浸透してきたように思います。

だから、別にそんなに生きてることにこだわる必要はないかなと個人的には思っています。でも、生きているとまた新たな酸を出してくれるとか、別の効果がある乳酸菌もいるんだよね。

そんな中、胃酸に強い乳酸菌を調べた研究結果があったので、少しご紹介したいと思います。その前に乳酸菌とはなんぞやについてもちょっとおさらいしますよ。

乳酸菌とは?

」っていう言葉は、「乳酸を出す菌」という意味なので、たったひとつの種類の菌を指しているわけではないんですよね。

「乳酸菌」とひとことにいっても、いろんな乳酸菌がいます。

メイトーさんのホームページに乳酸菌の定義が掲載されていたので、みてみましょう。

乳酸菌の定義

乳酸菌は、下記の項目に当てはまる菌のことを指します。

①グラム染色陽性(グラム染色すると青くなる)
②運動性なし
③グルコースを利用して作る代謝物の内50%以上が乳酸である
④カタラーゼ陰性(過酸化水素を分解する・酵素がない)
⑤通性嫌気性(無酸素条件を好むが、酸素があっても大丈夫)
⑥内胞子なし(環境悪化時に胞子を作って難を逃れる方法を持たない)
⑦従属栄養(我々哺乳類と同じく体外から有機物を取り入れてエネルギーとする。)
⑧GC含量が55%以上(DNAを構成する塩基の内グアニンとシトシンが55%以上を占める)

参考:https://www.lkm512.com/contents/lbifidus.html

とにかく乳酸を多く作る菌であることが重要です。

また酸素はないほうがいいけど、あっても生きていけるので、乳酸菌は地球のいろいろなところにいます。

実は菌は、酸素があるところでは生きていけないことも多く、それらの菌を嫌気性の菌といいます。

嫌気性の菌は基本的には人間や動物の体の中などの酸素と触れ合いにくい場所では生きていけますが、空のあたりを浮遊したり、草についたりということがありません。

一方、乳酸菌は植物についたり、動物についたり、それこそどこにでも存在できるのが一つの特徴です。

野生の乳酸菌と育ちのよい乳酸菌

同じ乳酸菌でも、育ちが良くて常に守られてきた子と、野生の過酷な状況で育ってきた子がいます。

一般的に野生の環境で育った乳酸菌は、菌体が丈夫で強いことが多いし、ぬくぬくと何かに守られて育ってきた乳酸菌は、野生の乳酸菌と比べると強くありません。

例えば、野菜などについている「植物性乳酸菌」は、過酷な自然の環境を耐えて生きてきた野生の乳酸菌です。

野菜のブドウ糖をえさに繁殖しますが、野菜のブドウ糖はそんなに豊富ではなく、えさが常に与えられる甘えられる環境ではありません。そして、自然は過酷です。寒かったり、暑かったり、日光に激しくさらされることもしばしばです。

どんな環境でも生き抜く力を持っているのが植物性乳酸菌です。だから人間の体内に入っても、胃酸や胆汁酸に負けない場合が多いと言われています。

一方で牛乳などに繁殖してヨーグルトを作る動物性乳酸菌は、乳糖をえさにして繁殖しますが、きちんと育ちやすい環境があり、自分が好む環境ではないときちんと育ちません。

強さ弱さで考えると、「植物性乳酸菌」のほうが「動物性乳酸菌」より強いのです。

ビフィズス菌と乳酸菌の違い

ビフィズス菌と乳酸菌は、よく一緒に出てきますし、ビフィズス菌は乳酸菌の一種であると言われることもあります。

その理由は、ビフィズス菌も乳酸をたくさん作るからです。でもビフィズス菌が作るのは乳酸だけではありません。乳酸のほかに酪酸もたくさん作ります。

兄弟のようなビフィズス菌と乳酸菌ですが、そこが少し違うのです。

乳酸菌は胃酸に負けないのか?

胃酸は、通常PH1~2の強い酸です。

食べ物を消化したり、外から入ってきた菌を殺菌するために強い酸でできています。

ヨーグルトや漬物、キムチなどに含まれる乳酸菌ももちろん菌の一種なので、外から入ってきた菌と同じく、胃酸に殺されてしまってもおかしくありません。

さて、乳酸菌ははたして胃酸に負けないで生き残れるのでしょうか?

乳酸菌は胃酸に負けないのか?

なるべく人間の胃に似せた環境で、どれだけの乳酸菌が生き残ることができるのか、実験した結果が発表されています。

▼PH2.0(通常の胃酸)で90分生き延びた菌
Bifidobacterium animalis(ビフィドバクテリウム・アニマリス)
Lactobacillus acidophilus(ラクトバチルス・アシドフィルス)
lactobacillus johnsonii(ラクトバチルス・ジョンソニー)

▼総合的にみて生存しやすい菌
Bifidobacterium animalis(ビフィドバクテリウム・アニマリス)
lactobacillus johnsonii(ラクトバチルス・ジョンソニー)

参考:
プロバイオティクス研究のためのヒト上部消化管をシミュレートする動的モデル
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15808363

やっぱり菌はみんな個性があって、胃酸に負けにくい菌というのも存在するようです。

ビフィドバクテリウム・アニマリス

別名、LKM512と呼ばれるビフィドバクテリウム・アニマリスは、胃酸に負けにくい菌の1つです。

牛、馬、豚などの哺乳類の大腸で最も多く存在することから、動物の名をとってアニマリスとつけられたんだって。

ビフィドバクテリウム・アニマリスは、短鎖脂肪酸を作り、また酪酸を作ってくれるといわれる善玉菌(B.ラクティス、L.ラクティス、L.ブルガリクス、S.サーモフィルス)を増やしてくれる親分みたいな働きをすることがわかっています。

そして、ポリアミンと呼ばれる動物の寿命を延ばす物質を作ってくれる効果もあるそう・・・。すごすぎます。

参考:P.Velga(2010) Bifidobacterium animalis subsp. lactis fermented milk product reduces inflammation by altering a niche for colitogenic microbes

http://www.pnas.org/content/107/42/18132.full

ラクトバチルス・ジョンソニー

別名、La1と呼ばれる乳酸菌のラクトバチルス・ジョンソニーは、かつてアシドフィルス菌と呼ばれる菌の一種でした。

この菌も腸内環境を改善してくれることがわかっている強い菌です。そしてなんと、副交感神経が優位になることがわかっています。リラックス効果があるということかも?笑

「LC1ヨーグルト」(申請者:ネスレ日本株式会社)は、関与成分として LC1
乳酸菌(Lactobacillus johnsonii La1 株)を含むはっ酵乳形態の食品であり、腸
内環境の改善に役立つことが特長とされている。

1 日当たりの摂取目安量は1個(120g)であり、120g に含まれる関与成分は、LC1 乳酸菌 10 億個以上となっている。

参考:https://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc_novelfood160205-

ラットにLC1乳酸菌を腸内投与し、自律神経活動に対する急性効果を電気生
理学的に調べた。その結果、LC1乳酸菌投与後有意に腎臓の交感神経活動が
抑制され,胃副交感神経活動は促進された。

参考:http://www.jasso.or.jp/data/topic/topics12_247.pdf

まとめ

結局ある研究結果によると、胃酸に強い菌は、

Bifidobacterium animalis(ビフィドバクテリウム・アニマリス)
lactobacillus johnsonii(ラクトバチルス・ジョンソニー)

でした。

そして、いろんな菌がいて、それぞれにいろんな個性があることがわかりました。いろんな菌がいて、菌の数だけその効果も違うのがおもしろいです。笑

まだまだいろんな菌のことを知りたくなります。

みなさんも、参考にしてみてくださいね。

The following two tabs change content below.
長谷川ろみ

長谷川ろみ

本サイト「腸内革命」の編集長。元おデブの腸活&発酵life×クリエイター。腸内細菌に救われたことをきっかけに、日本の発酵文化や腸の大切さを伝えるためのコト・モノ・しくみづくりに挑戦中。

「自分の周りの人の腸内環境をアップデートする」ことが目標♪

▼プロフィール詳細はコチラ
▼活動内容詳細はコチラ
▼取材やお仕事の依頼はコチラ
▼instagramはコチラ
▼noteもはじめましたコチラからどうぞ

腸活メルマガ(無料)購読はコチラ!

本サイトは、腸活講座やお得情報がつまった「腸活メルマガ(無料)」を配信しています。