【この記事で解決できるお悩み】
・酵素ってなに?簡単に誰でもわかるようにおしえて!
・酵素はどんな働きをして、どんな効果があるの?
・食べ物や酵素ドリンクから補うべき?それとも意識して口からとろうとしても意味ない?



この記事では、こんなお悩みを解決します!
ヒトは体の中に「酵素」を持っています。
発酵食品を作る微生物である「納豆菌」や「麹菌」も、「酵素」をたくさん持っている生物のひとつ。
「加齢で酵素が減っていくから、酵素を食べて補ったほうが良い」
そんなウワサが流れて、早数年。もしかしたら、そのウワサを信じて、酵素を必死にとろうとしている人もいるかもしれません。
でも、本当にそうでしょうか?
そこで今回は、「酵素ってなに?」というよくある質問を、発酵のプロがわかりやすく徹底解説!
酵素の特徴を知り、それを踏まえたうえで、健康や美容に役立つ発酵食品のとり方を整理してみましょう。
この記事を書いた人:
腸活研究家 長谷川ろみ
発酵食品にハマり、ダイエットなしで12㎏減。痩せたことをきっかけに腸を愛でる生活に目覚める。重度の便秘から解放され、腸活研究家として活動開始。今では発酵ライフ推進協会通信校校長を務め、昔の自分と同じ悩みを持つ方に向けて腸や菌のおもしろさを発信中。詳しくはこちら
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酵素とは?
ヒトは、体の中に5000種類もの酵素を持っていると言われています。



酵素の特徴を簡単に整理すると、以下の4点があげられます。
特徴➁ タンパク質でできている
特徴➂ 作られる酵素の量は決まっている
特徴➃ 加齢で失活する
一つずつ見ていきましょう。
特徴➀ 物質を分解する
酵素は、化学反応によって物質を分解する働きがあります。
例えば、分解酵素の「プロテアーゼ」はタンパク質をアミノ酸に分解します。また、別の分解酵素の「アミラーゼ」は炭水化物をブドウ糖に分解します。
アミラーゼ(炭水化物分解酵素):炭水化物をブドウ糖に分解する
リパーゼ(脂肪分解酵素):脂肪を脂肪酸に分解する など
注意が必要なのは、分解できるものがあらかじめ決まっていること。
タンパク質分解酵素の「プロテアーゼ」は、タンパク質しか分解できません。



物質を分解すると、酵素自体も形が変わってしまうのではと心配する人もいるかもしれません。
しかし、酵素のすごいところは分解しても一切形が変わらないところです。



特徴➁ タンパク質でできている
酵素は、タンパク質でできています。



酵素は、他のタンパク質と同じように熱や酸に弱いという特徴があります。
熱や酸によって構造が変化すると、もともとの酵素の分解機能が働かなくなります。



酵素の種類によって働きやすい環境は異なりますが、大体PH1以下、摂氏35度~40度が働きやすい環境だと言われています。
酸性度:酵素によって異なる
温度:摂氏35度~40度



胃で働くタンパク質を分解する酵素の「ペプシン」は、例外的に最適PHが2で低いPHでも良く働きますが、中性の環境ではほとんど働きません。
一方、唾液に含まれる炭水化物分解酵素の「アミラーゼ」はPH7程度で良く働くので、唾液中でも良く働くことがわかります。
特徴➂ 作られる酵素の量は決まっている
酵素は、1日に作られる量が決まっています。
体の中には代謝に使われる「代謝酵素」と消化に使われる「消化酵素」があり、人や環境によってその分配方法は違います。
例えば100の酵素があったとしたら、代謝酵素80:消化酵素20で使う場合もあれば、代謝酵素20:消化酵素80で使う場合もあります。
代謝が良い人は代謝酵素80:消化酵素20で使えるので、太りにくかったり、疲れにくいことが考えられますが、代謝酵素20:消化酵素80の場合は、老化を早めたり、病気のもとを育ててしまう可能性があります。
消化酵素は食べ過ぎたり、消化の悪いものばかりを食べていると多く使うことになるので、注意が必要です。
特徴➃ 加齢で失活する
酵素は、加齢によって失活すると言われています。
もともと酵素は原理的に「減る」ことはありません。
しかし、熱や酸に弱いので「失活」することはありえます。
また、加齢によっても失活しやすくなり、分解酵素の働きが悪くなる「異常酵素」が増えることが知られています。


引用:(※1)抗老化“酵素健康法”の真偽|順天堂大学大学院客員教授 東邦大学名誉教授 後藤佐多良



酵素の種類
酵素には種類があります。
➁体外酵素
さらに、体内酵素は2つに分けられます。
➃代謝酵素
詳しく見ていきましょう。
体内酵素と体外酵素
酵素は、もともとヒトの体内にある「体内酵素」と、体の外からとりいれる「体外酵素」があります。
➁体外酵素=体の外からとりいれる酵素(食物酵素)や腸内細菌が作る酵素
体外酵素の中には、食べ物からとる酵素「食物酵素」も含まれます。
アメリカの医師であり研究者の「エドワード・ハウエル博士」によると、胃腸などの消化管は「内なる外」として「体外」に分類されるため、腸管に住み着いている常在細菌が産生する酵素も「体外酵素」に分類されます。



消化酵素と代謝酵素
体内酵素は、消化酵素と代謝酵素の2つに分けられます。
➃代謝酵素
消化酵素は、食事からとった三大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂肪)を、補酵素に協力してもらいながら消化しやすい形に分解する酵素です。



消化酵素のうち、有名なものは以下のとおりです。
アミラーゼ(炭水化物分解酵素):炭水化物をブドウ糖に分解する
リパーゼ(脂肪分解酵素):脂肪を脂肪酸に分解する など



代謝酵素は、腸壁から吸収された栄養をエネルギーに変えて、生命活動を行うための酵素です。
加齢によって代謝酵素は減っていきますが、生命活動に関係がないところから減っていくと言われています。
例えば、白髪です。白髪は生えても生えなくても生命維持には関係ありません。
そのため比較的若いうちからメラニン色素を髪に固着させる酵素「チロシナーゼ」が使われなくなる人もいます。
=メラニン色素を髪に固着させ、髪の黒さを保つ
その他代謝酵素が関わる生命活動には、以下のようなものがあります。
・運動する
・思考する
・睡眠する
・けがを治す
・血液循環を促進する
・老廃物を排泄する
・免疫細胞を活性化させる
・肌のターンオーバーを促す など



食物酵素の健康効果
「食物酵素をたくさんとると、健康や美容にイイ」と言われます。
これは一体どういう意味なのでしょうか?
実はこの言葉には2つの視点があります。
視点➀ 食物酵素自体が体内で働く効果
視点➁ 食物酵素が含まれる食べ物を食べることによる効果
一つずつ見ていきましょう。
視点➀ 食物酵素自体が体内で働く効果
食べ物からとった食物酵素が、もともと体内にある消化酵素や代謝酵素の代わりに働くとは考えにくいというのが、今の研究者の見解です。
酵素は量的にも質的にもバランスよく体内に存在していなければなりません。
また、体の中には食物酵素が細胞内のミトコンドリアに届くまでに、多くの障害があります。
これらの障害をすべてクリアして細胞内で働くことはかなり難しいというのが、近年の食物酵素に関する考え方です。(※1)
↓
胃液の酸(PH1~2)に触れて壊れる
↓
胃や腸のタンパク質分解酵素に触れて壊れる
ぺプシン(胃)/トリプシン(小腸)
↓
腸管細胞の壁を通り抜けられない
↓
血管壁を通り抜けられない
↓
個々の細胞壁を通り抜けられない
↓
ゴール:細胞内のミトコンドリアで働く?!



視点➁ 食物酵素が含まれる食べ物を食べることによる効果
一方で、食物酵素が含まれる食べ物を食べることによる効果は期待されています。
食物酵素が含まれる食べ物の代表と言えば、発酵食品です。
発酵食品は、納豆菌や麹菌が持つ酵素によって食べ物に含まれる栄養素があらかじめ分解されています。
麹菌:米麹の米を分解して甘酒や塩麹、味噌にする
また麹菌が作る甘酒や塩麹を使って料理をすれば、消化酵素をむだづかいしない胃腸にやさしいメニューを作ることができます。
鶏肉のタンパク質を分解してアミノ酸に変える→消化しやすくなる
豆のタンパク質を分解してアミノ酸に変える→消化しやすくなる



また生の野菜や果物も酵素が多い食材のひとつですが、肉などのタンパク質源と比べて酵素が多いため、野菜や果物は消化がしやすいことが知られています。
野菜や果物:胃から腸まで1時間以内
消化酵素をむだづかいしない食べ方
消化酵素をむだづかいしないための食べ方にはいくつかコツがあります。
➁よく噛んで食べる
➂食べ過ぎない
一つずつ見ていきましょう。
食べ方➀ 発酵させてから食べる
消化酵素をむだづかいしない食べ方の1つ目は、発酵させてから食べることです。
自分の体内の消化液で消化する前に、発酵菌たちに消化しやすい形に加工してもらえるのが発酵食品のよいところです。
甘酒・塩麹漬け(麹漬け)にして分解してから食べる:甘麴の漬物(豆腐、アボカドなど)など
積極的に発酵食品を食べるのが、結果的に胃腸をいたわることになります。



食べ方➁ よく噛んで食べる
消化酵素をむだづかいしない食べ方の2つ目は、よく噛んで食べることです。
唾液の中にはたくさんの分解酵素が存在しています。噛めば噛むほど消化しやすい形に加工することが可能です。



食べ方➂食べ過ぎない
消化酵素をむだづかいしない食べ方の3つ目は、食べ過ぎないことです。
消化酵素がしっかり働くよう、食事量を腹八分目にすることを徹底しましょう。
毎食毎食食べ過ぎていると、消化器官も疲れてしまいます。
まとめ:酵素とは?発酵のプロが簡単に効果を解説!
酵素は物質を分解する働きを持つタンパク質で、加齢で失活してしまうという特徴があります。
特徴➁ タンパク質でできている
特徴➂ 作られる酵素の量は決まっている
特徴➃ 加齢で失活する
体内で作られる「体内酵素」と体外から摂取する「体外酵素」があり、また体内酵素は消化を助ける「消化酵素」と代謝を助ける「代謝酵素」に分けられます。
消化に酵素を使いすぎてしまうと代謝に使う酵素が減り、疲れやすくなったり、代謝が正常に行われなくなることが心配されています。
「食物酵素をたくさんとると、健康や美容にイイ」と言われる意味には2つの視点があります。
視点➁ 食物酵素が含まれる食べ物を食べることによる効果
しかし、食物酵素自体が体内酵素の代わりになるかはまだ見解が分かれるところであり、エビデンスがあるわけではありません。
比較的消化の負担が少ない食物酵素が含まれる食べ物(発酵食品など)を多くとり、胃腸を疲れさせないようにすることを目指しましょう。
消化酵素をむだづかいしないための食べ方のコツは以下の3つです。
➁よく噛んで食べる
➂食べ過ぎない
参考にしてみてくださいね。
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参考文献
(※1)順天堂大学大学院客員教授 東邦大学名誉教授 後藤佐多良 抗老化“酵素健康法”の真偽より
https://www.mnc.toho-u.ac.jp/v-lab/aging/doc2/doc2-06.html