マラセチア菌とは?アトピー性皮膚炎の方をイジメるかもしれない常在菌




梅雨といえば、じめじめじとじと。

食べ物がかびてしまうことも多くなり、お料理をする方はちょっと注意が必要な季節ですよね。

カビてしまうということは、基本的には元気になる菌が多い季節でもあります。

人間の体の中にいる腸内細菌たちはそこまで影響を受けているとは思えませんが、空気が大好きで外気に触れている菌たちは、元気になり過ぎるケースもあるので、ちょっと心配。

特に、私たち人間に関係があるのは、皮膚に住んでいる皮膚常在菌です。

今回取り上げるのは、人間の肌にある皮脂が大好きなマラセチア菌。

マラセチア菌は、別に悪い菌ではないのですが、増殖しすぎると人間にとっては、困った状況になることも多いのだとか。

今回は、そんなマラセチア菌について、まとめてみました。

マラセチア菌とは?

マラセチア菌は、真菌(カビ)の一種で、私たちの肌に住んでいる常在菌の1つです。

マラセチア菌は、みんなの肌に住んでいる

カビというとびっくりしちゃう人も多いかもしれませんが、全く珍しい菌ではありません。人間の肌からでる皮脂が大好きな菌なので、私たちみんなの肌にいます。

どうやら犬の皮膚にもマラセチア菌は多いらしいので、動物全般にとって、身近な菌であるといえそうですね。

第 60 回日本アレルギー学会秋季学術大会ワークショップ7の資料によると、一般的に「マラセチア菌」と言われた場合、「「マラセチア属」に属する菌という意味で、複数の菌がいるようです。

2011 年の時点でMalassezia属として14菌種が報告されています。そのうちヒトに寄生するのは 9 菌種、動物に寄生するのが 5 菌種です。

参考:第 60 回日本アレルギー学会秋季学術大会ワークショップ7 マルホ皮膚科セミナー資料
http://medical.radionikkei.jp/maruho_hifuka_pdf/maruho_hifuka-110721.pdf

マラセチア菌が増えすぎると・・・

基本的に人間の皮膚に住んでいるマラセチア菌なので、通常時は全く問題がない共存しやすい菌です。

マラセチア菌の好物は、私たちの皮膚から分泌される皮脂で、皮脂をエサにしているので、頭や顔、そして背中などの脂漏性部位と言われるところで増殖します。

そして、増殖しすぎると、人間にとって困ったことが起こります。

マラセチア菌が引き起こすトラブル

マラセチア菌は、普通の人にとっては大きな害がないと思われていましたが、アトピー性皮膚炎の方にとっては、炎症を大きくしてしまう可能性が指摘されています。

アトピー性皮膚炎を悪化させる

発行の科学誌「Journal of Allergy and Clinical Immunology」のオンライン版(Article In Press)で公開された、広島大学の研究によると、マラセチア菌の一種であるM. globosaが作るたんぱく質が、アトピー性皮膚炎を悪化させるというのです。

今回、ヒトの汗に含まれるヒスタミン遊離活性を指標に精製した成分から、アミノ酸配列の一部を決定、それがマラセチア属真菌の一種であるM. globosaが産生する蛋白質MGL_1304に含まれるものであることを同定しました。

汗がアトピー性皮膚炎の悪化因子であることはこれまでも知られていましたが、マラセチアという、ヒトの皮膚の表面に常在するカビの一種が分泌する蛋白質がアトピー性皮膚炎患者にアレルギー反応を起こすということは、全く知られていませんでした。

参考:
アトピー性皮膚炎患者における汗アレルギーの原因物質を同定
https://www.hiroshima-u.ac.jp/koho_press/press/2013/2013_024

アトピー性皮膚炎の方は少なくないので、これは結構衝撃的な研究結果ですよね。

マラセチア菌も、まさか自分が作ったタンパク質が人間にとっては害になるのだということまでは考えていなかったことでしょう。(あたりまえか・・・w)

脂漏性皮膚炎を発症させる

脂漏性皮膚炎とは、人間の皮脂の多い部分である、頭や顔に慢性的に紅斑や鱗屑ができる疾患で、頭ではフケの原因になることもしられている皮膚疾患です。

発症する原因として考えられるのは以下の通りです。

・遺伝要因
・ストレス
・ホルモンバランスの乱れ
・皮脂の異常分泌
・気候
・栄養(特にビタミンB不足)
・洗顔のしすぎ、洗いすぎ
・スキンケアや薬剤の使用の影響

しかし、これらが複合的に合わさって、マラセチア菌が定着すると、たいへんです。

マラセチア菌は、皮脂の中の脂肪を分解するリパーゼという脂肪分解酵素を持っているので、脂肪が分解され、脂肪酸が作られます。この脂肪酸が、炎症を起こすのです。

マラセチア菌とマラセチア菌のえさになる皮脂の両方が一緒になった時、かなりつらい皮膚炎になってしまいます。

皮脂が増えすぎてしまうなら、洗えばいいじゃん!と思いがちですが、洗いすぎてもいけません。

人間の体は洗いすぎた分の皮脂を出そうとしたり、自らバランスをとるようにできているので、悪影響になってしまう可能性もあります。

頭皮に出ている場合は、フケの量が増えて、新たな悩みやストレスにつながることもあるので本当にマラセチア菌、困りますね。

男性の場合は、このような状態がひどくなると、脱毛にも結び付く可能性が指摘されています。

オムロンさんのホームページでは、このようなケースが紹介されていました。

頭皮に関してはもう1つ、脂漏性皮膚炎と脱毛との関係も注目されています。とくに男性の場合、脂漏性皮膚炎と脱毛症状を併発するケースも少なくありません。

まだ因果関係は明確になっていませんが、脂漏性皮膚炎をともなう脱毛だと、通常のフケ用シャンプーだけでは対処できないこともあるので、皮膚科などを受診して検査をしてもらいましょう。

女性の場合は、女性ホルモンの保護作用によって、男性ほど強い脱毛症状はみられませんが、毛が細くなったり、抜け毛が増えることはあるので、やはり注意は必要です。

参考:オムロンホームページ
https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/96.html

癜風(でんぷう)を発症させる

癜風(でんぷう)とは、かゆみはなく、胸や背中、腕、首などの部位に斑点が現れる病気です。

癜風でんぷうとは、皮膚に存在するカビ(真菌)の一種によって生じる感染症です。主に体や腕、首などに淡い茶色の斑点が生じるのが特徴ですが、白い斑点として認められることもあります。思春期以降の若い男女に多く発生するといわれており、特に発汗量が増える春?夏にかけてよくみられます。

参考:メディカルノートより
https://medicalnote.jp/diseases/

こわいなぁ・・・。マラセチア菌の影響で、斑点までできてしまうなんて・・・。

人によって、白い斑点になるときと、茶色い斑点になることの両方があるようです。

まとめ

わたしたちはいつも菌と一緒に生きているんだなと感じますが、彼らは特にわたしたちを懲らしめようとしているわけではありません。

発酵の過程で何かを作っちゃったり、何かに反応しちゃったりするだけなのですが、やっぱり怖いですよね。

なるべく増殖させないように、自分の体のバランスを整えて、よく寝て、バランスのよい食事をし、ストレスをためずに過ごすのがいちばんです。

もし、マラセチア菌のトラブルに見舞われたら、お医者さんにご相談してくださいね。

菌との共存、いっしょにがんばりましょう♪

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長谷川ろみ

長谷川ろみ

本サイト「腸内革命」の編集長。元おデブの腸活&発酵life×クリエイター。腸内細菌に救われたことをきっかけに、日本の発酵文化や腸の大切さを伝えるためのコト・モノ・しくみづくりに挑戦中。

「自分の周りの人の腸内環境をアップデートする」ことが目標♪

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