【この記事で解決できるお悩み】
・もともと風邪を引きやすくて、新型コロナウイルス感染も心配…
・納豆って免疫力をアップするっていうけど嘘?ホント?



この記事では、こんなお悩みを解決します!
日本に古くから伝わる発酵食品の中でも、年々市場規模が拡大している納豆。
2020年は国立がん研究センターが「日常的に納豆を摂取すると死亡リスクが1割以上低下する」と発表したり、納豆に新型コロナウイルス感染を抑制するアミノ酸「5-ALA」が含まれることが発見されて、テレビなどのメディアが納豆を大きく取り上げました。
その結果、納豆界は大激震!2020年の納豆の市場規模は2711億円と、これまでにない前年比8.3%という規模で急成長したのです。



2021年は前年比4.3%減に落ち着いたと思いきや、19年比では3.7%増で、やっぱり右肩上がりなんだよね。納豆、乗りにのってます…。
話題に事欠かない納豆ですが、最近の話題はもっぱら「免疫力アップ効果」です。
そこで今回は、もともと風邪やインフルエンザにかかりやすくて心配な方のために、納豆と免疫力アップの関係を大解説!
免疫力アップ効果を最大限生かしたおすすめの食べ方や、将来的に納豆に期待されている、新型コロナウイルスとの関係までをまとめてみました。
この記事を書いた人:
腸活研究家 長谷川ろみ
発酵食品にハマり、ダイエットなしで12㎏減。痩せたことをきっかけに腸を愛でる生活に目覚める。重度の便秘から解放され、腸活研究家として活動開始。今では発酵ライフ推進協会通信校校長を務め、昔の自分と同じ悩みを持つ方に向けて腸や菌のおもしろさを発信中。詳しくはこちら
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解説!納豆で免疫力アップは嘘?ホント?
納豆の免疫力アップ効果が期待されているのは、本当です。
その理由は、以下の5つです。
理由➁ 粘り成分「ポリグルタミン酸」が免疫細胞を活性化
理由➂ 粘り成分「レバン」が免疫細胞を活性化
理由➃ アミノ酸「5-アミノレブリン酸(5-ALA)」が新型コロナウイルスを抑制
理由⑤ 分解酵素「プロテアーゼ」が新型コロナウイルスを分解
一つずつ見ていきましょう。
理由➀ 納豆菌が免疫細胞を活性化
腸内環境と免疫機能は密接に関係しています。
その理由は、ヒトの小腸には、免疫細胞のうちの約70%が集中して存在しているからです。



そのため、そもそも腸内にビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌たちがバランスよく存在していることが、免疫力アップには重要になります。
そのうえでさらに免疫力アップに貢献してくれるのが、納豆菌です。
納豆菌には、免疫細胞を活性化する働きがあるという研究結果(※1)がたくさん発表されています。
➁腸管のバリア機能の担う細胞(腸上皮細胞)を活性化する



理由➁ 粘り成分「ポリグルタミン酸」が免疫細胞を活性化
納豆に免疫力アップ効果があると言われる理由の2つ目は、納豆の粘り成分に含まれる「ポリグルタミン酸」です。
=アミノ酸の一種で納豆の粘り成分に多く含まれる
=小腸にある免疫細胞(樹状細胞・マクロファージ)を活性化する
α-ポリグルタミン酸(PGA)も納豆菌と同じように、免疫細胞を活性化させてくれることがわかっています。(※3、4、5)



理由➂ 粘り成分「レバン」が免疫細胞を活性化
納豆に免疫力アップ効果があると言われる理由の3つ目は、納豆の粘り成分に含まれる「レバン」です。
=単糖類の一種で納豆の粘り成分に多く含まれる
=小腸にある免疫細胞(Th1細胞)を活性化する
レバンもα-ポリグルタミン酸(PGA)と同じように免疫細胞を活性化する力があります。(※6、7)



理由➃ アミノ酸「5-アミノレブリン酸(5-ALA)」が新型コロナウイルスを抑制
納豆に免疫力アップ効果があると言われる理由の4つ目は、納豆に含まれるアミノ酸「5-アミノレブリン酸(5-ALA)」です。
=アミノ酸の一種
=ヒトが生きていくために必要な「ヘム」の元になる
=ヘムは呼吸をしたり、酸素を全身にいきわたらせるために使われる
2021年に長崎大学が発表した内容(※8)によると、納豆に含まれる5-アミノレブリン酸(5-ALA)が新型コロナウイルスの増殖を抑える可能性があるのだとか!
ヒトへの臨床試験はまだ始まったばかりですが、注目されている成分であることは間違いありません。



理由⑤ 分解酵素「プロテアーゼ」が新型コロナウイルスを分解
納豆に免疫力アップ効果があると言われる理由の5つ目は、納豆に含まれる分解酵素「プロテアーゼ」です。
2021年に東京農工大学や宮崎大学などの研究チームが発表した内容によると、納豆菌が持っている80種類以上の分解酵素で、新型コロナウイルスの表面のタンパク質が分解されて、新型コロナウイルスの感染が止まったことがわかりました。
=タンパク質分解酵素
=納豆菌は80種類以上のタンパク質分解酵素を持っている



納豆で免疫力を上げる最強の食べ方
納豆にはわたしたちヒトの免疫力を上げるポイントが5つもあることがわかりました。
もちろんまだ研究段階のものもありますが、少なくとも納豆菌が腸内環境を整えることで免疫力アップにつながったり、納豆菌やその粘り成分である「ポリグルタミン酸」「レバン」などが免疫細胞を活性化してくれることはわかっています。



ここでおすすめする最強の食べ方・アレンジ法は以下の2つです。
食べ方➁ 免疫力を上げる効果が高いオリーブオイルを混ぜる
一つずつ見ていきましょう。
食べ方➀ 腸のぜん動運動を活発にするビタミンCと組み合わせる
納豆はバランス良くさまざまな栄養素が含まれる食品です。
しかし、実はビタミンAとビタミンCのみ、あまり含まれていないことがわかります。
エネルギー(kcal) | 190 |
---|---|
水分(g) | 59.5 |
たんぱく質(g) | 16.5 |
脂質(g) | 10 |
炭水化物(g) | 12.1 |
ナトリウム(mg) | 2 |
カリウム(mg) | 660 |
カルシウム(mg) | 90 |
マグネシウム(mg) | 100 |
ビタミンA(レチノール)(μg) | 0 |
ビタミンE(トコフェロール)(mg) | 0.5 |
ビタミンK(μg) | 600 |
ビタミンB1(mg) | 0.07 |
ビタミンB2(mg) | 0.56 |
ビタミンB6(mg) | 0.24 |
ビタミンC(mg) | 0 |
水溶性食物繊維(g) | 2.3 |
不溶性食物繊維(g) | 4.4 |
食物繊維(全体)(g) | 6.7 |
引用:文部科学省|食品成分データベース(日本食品標準成分表2020年版)
特にビタミンCは腸のぜん動運動を促し、腸内環境に溜まる老廃物を外に出しやすくしてくれる栄養素の一つなので、納豆と一緒に組み合わせて食べたいところです。
ビタミンCが多く納豆と組み合わせやすい食品と言えば、パプリカやオクラが挙げられます。
ビタミンCは水溶性ビタミンなので、ゆでたり、煮たりすると水の中に栄養素が溶けだしてしまうため、生のまま食べられるのもうれしい点です。
またビタミンAが多く含まれ、かつ納豆と組み合わせやすいのは豆苗や小松菜です。食感もおもしろくおすすめです。



食べ方➁ 免疫力を上げる効果が高いオリーブオイルを混ぜる
オリーブオイルは、納豆と同じく免疫力を上げる効果が注目される食材です。
また、オリーブオイルに含まれるポリフェノールには、腸内環境を整えたり、免疫細胞を活性化させる成分が多く含まれています。
=オリーブの果実から得られる油
=オレウロペインなど多くのポリフェノールを含む
=抗酸化力が高いポリフェノールの一種
=血管系の疾患を予防したり、体内の免疫組織を活発にする
=体内で蓄積されない成分なので、定期的に摂取する必要がある
特に注目されているのが、オレウロペインです。
オレウロペインは免疫細胞を活性化したり、ヘリコバクター・ピロリ菌や黄色ブドウ球菌などの人間にとって害になる菌の発育の邪魔をすることがわかっています。
納豆をよくかき混ぜてから、オリーブオイルを小さじ1杯程度入れるだけで、ポリフェノールやビタミンがとれるのでおすすめです。



まとめ:納豆で免疫力アップは嘘?ホント?
納豆で免疫力がアップするというウワサは、本当です。
その理由は以下の5つです。
理由➀ 納豆菌が免疫細胞を活性化
理由➁ 粘り成分「ポリグルタミン酸」が免疫細胞を活性化
理由➂ 粘り成分「レバン」が免疫細胞を活性化
理由➃ アミノ酸「5-アミノレブリン酸(5-ALA)」が新型コロナウイルスを抑制
理由⑤ 分解酵素「プロテアーゼ」が新型コロナウイルスを分解
もともと注目されていた免疫細胞を活性化する納豆菌、粘り成分の「ポリグルタミン酸」「レバン」に加え、近年では新型コロナウイルスを抑制する効果が期待されるアミノ酸「5-アミノレブリン酸(5-ALA)」や分解酵素「プロテアーゼ」も注目されるようになりました。
そのせいか、納豆の市場規模は右肩上がりに拡大し、人気の健康食品となっています。
値段も安くて、料理をしなくても食べられ、栄養も満点の黄金食材ではありますが、もっと免疫力アップ効果を上げるためには、以下のアレンジもおすすめです。
食べ方➀ 腸のぜん動運動を活発にするビタミンCと組み合わせる
食べ方➁ 免疫力を上げる効果が高いオリーブオイルを混ぜる
参考にしてみてね。
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参考文献
(※1)納豆菌による樹状細胞の活性化と免疫制御機能の解明
https://paperzz.com/doc/6260173/
(※2)納豆サイエンスラボ 納豆をよく食べる子は0-157に感染しにくい
http://www.natto-science.jp/effect.html#data157
(※3)A possible role for IL-17A in establishing Th2 inflammation in murine models of atopic dermatitis
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25029321/
(※4)Oral administration of high molecular mass poly-gamma-glutamate induces NK cell-mediated antitumor immunity
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17617566/
(※5)Natural and edible biopolymer poly-γ-glutamic acid: synthesis, production, and applications
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/tcr.20061
(※6)九州大学 生体防御医学研究所
https://www.bioreg.kyushu-u.ac.jp/mib/reports/2006/05.pdf
(※7)株式会社ミツカングループ 生命科学関連特許情報
https://dbsearch.biosciencedbc.jp/Patent/page/ipdl2_JPP_an_2005180061.html
(※8)5-amino levulinic acid inhibits SARS-CoV-2 infection in vitro
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33571909/
(※9)Natto extract, a Japanese fermented soybean food, directly inhibits viral infections including SARS-CoV-2 in vitro
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34271432/