歯周病の原因菌ってどんな菌?潰瘍性大腸炎やがんとの関連があるってほんと?




工藤孝文先生
この記事の監修ドクター:工藤内科副院長 工藤孝文先生 詳しくはこちら

昔は、口の中だけの病気でしょ~と、あんまり心配されていなかった「歯周病」。

実は、いろいろな病気に関与しているのではないかと疑われ始めています。

その歯周病の原因菌の1つとして注目されているのが、「フソバクテリウム バリウム」です。

今日は歯周病の原因菌ともいわれる「フソバクテリウム バリウム」に指摘される、いろいろな可能性や研究を追ってみたいと思います。

歯周病の原因菌ってどんな菌?

歯周病の原因菌として疑われている菌の一つに、「フソバクテリウム バリウム」という菌がいます。

この「フソバクテリウム バリウム」という菌、口の中にももちろんいるのですが、腸内でも見つかっている腸内細菌でもあります。そして、あまり良くない意味で、最近注目され始めている菌でもあるのです。

「フソバクテリウム バリウム」とは?

まずは「フソバクテリウム バリウム」をウィキペディアで調べてみましょう。

バクテロイデス属と似た嫌気性のグラム陰性菌である。個々の細胞は棒状の桿菌で、端は尖っている

参考:ウィキペディア

見た目は特に変わった形をしているわけでもなく、空気がきらいな棒状の菌です。

ヤクルト中央研究所が説明する「フソバクテリウム バリウム」についてもみてみましょう。

この菌は、菌体の大きさが0.3~0.7×0.2~2.0マイクロメートルの嫌気性紡錘状のグラム陰性桿菌で、芽胞を作らず、運動性を持ちません。腸内発酵により代謝産物として高濃度の酪酸を産生します。

参考:https://institute.yakult.co.jp/bacteria/4272/

芽胞という固いスーツを持たない菌だし、運動性も持たないというおとなしそうな菌です。。それも短鎖脂肪酸の1つである酪酸を産生するなんて、腸にとってはうれしいこともしてくれています。

昔から歯周病の原因菌の1つとして、知られていましたが、そんなにとびぬけて変なことをするという認識はされておらず、目立つ存在ではありませんでした。

ここまでを見ると、確かにそうなんだよね。

「フソバクテリウム バリウム」は第二のピロリ菌?

でも、最近、「フソバクテリウム バリウム」が私たちのカラダにそなわっている「炎症性サイトカイン(炎症を促すタンパク質)」を変化させることがわかってきています。

歯周病の原因となるだけでなく、他にもいろいろな病気の原因になっているのでは?と恐れられているの。

菌が原因の多くを占める病気といえば、胃がんにおけるヘリコバクター・ピロリ感染が知られていますよね。

ヘリコバクター・ピロリ菌と同じように、フソバクテリウム バリウムもがんなどの病気の原因菌かもしれないというのです。

「フソバクテリウム バリウム」と病気の関係

「フソバクテリウム バリウム」と病気の関係について、いろいろな機関が研究をしています。ここでは、その研究内容について、少しご紹介しましょう。

ただの歯周病の原因菌の1つ・・・とは思えなくなるかもしれません。

食道がんに関与?!

「フソバクテリウム バリウム」は、食道がんの進展に関与しているというプレスリリースを発表したのは熊本大学です。

2016年にアメリカの科学誌「Clinical CancerResearch」に掲載された、研究結果をみてみると、食道がんの人のがん組織の中にフソバクテリウムがいる場合がとても多いことが分かったそうなんです。

実際のプレスリリースがこちら。

今回、熊本大学大学院生命科学研究部消化器外科学分野の馬場秀夫教授らの研究グループは、フソバクテリウムの食道がん進展への影響を評価するために、300例以上のがん組織中のフソバクテリウムの量を調査しました。

その結果、23%の症例でフソバクテリウムの存在が確認され、食道がんの予後が不良であることを明らかにしました。本成果により、フソバクテリウムが食道がんの進展に関与しており、食道がん治療のターゲットになりうる可能性が示唆されました。

本研究成果は、10月21日に、アメリカの科学誌「Clinical CancerResearch」に掲載されました

参考:https://www.kumamoto-u.ac.jp/daigakujouhou/kouhou/pressrelease/2016-file/release161024.pdf

でもね、今回わかったのは「フソバクテリウム バリウム」が多かったというだけで、本当に食道がんの原因になっているのかはわかっていません。

なにかぜんぜん違う原因があって、「フソバクテリウム バリウム」が集まってきているだけという可能性もあるんだよね。

潰瘍性大腸炎や大腸がんに関与?!

名古屋大学では、2013年にこんな論文を発表しています。

名古屋大学の Minami らは,UC 患者の F. varium 感染率を Western-blotting 法を用いて検討しているが,その結果,血清抗体が認められたのは UC 112 例中 45 例(40.2%)であり,健常対照者 128 名中 20 名(15.6%)と比べ有意に感染率が高かったと報告している(p < 0.01)
(9)

さらに,彼らは,感染陽性の UC の方が,抗体陰性の患者と比べ,より活動性が高く,全大腸炎型といった病変範囲が広いものが有意に多かったと報告している

参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jim/27/3/27_169/_pdf/-char/ja

潰瘍性大腸炎や大腸がんなどの、大腸内の炎症がもとになる病気についてもその炎症を起こした原因の一つに「フソバクテリウム バリウム」がいるのではと、疑われています。

でもね、これも食道がんと一緒で、まだ原因になっているのかどうか、違う原因がもとになって集まってきているだけなのかどうか、その細かい部分は定かではありません。

歯周病の原因菌「フソバクテリウム バリウム」まとめ

実はまだまだわかっていないことがたくさんある、腸内細菌&口内最近の世界。

今回取り上げた歯周病の原因菌の1つといわれる「フソバクテリウム バリウム」は、口腔内以外でも炎症を起こしていることがわかり、もしかしたらそれが病気の原因につながっていることも示唆されています。

まだわかっていないことも多いけど、歯周病はお口の中の病気というだけでなく、そこにいる菌がカラダの中を周り、もっと重大な病気と密接にかかわっている可能性も出てきています。

もしかしたら、これらの研究がすすめば、「フソバクテリウム バリウム」のおかげで、各病気の治療方法が解明されるかもしれません。これからの研究の進展が楽しみですね。

私たちは、とりあえず歯周病の原因菌を増やし過ぎないように、毎日きちんと歯磨きしましょう♪

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長谷川ろみ

長谷川ろみ

本サイト「腸内革命」の編集長。元おデブの腸活&発酵life×クリエイター。腸内細菌に救われたことをきっかけに、日本の発酵文化や腸の大切さを伝えるためのコト・モノ・しくみづくりに挑戦中。

「自分の周りの人の腸内環境をアップデートする」ことが目標♪

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