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長谷川ろみ
編集長:長谷川ろみ麹のちから推進委員会代表。元おデブの腸活研究家。腸内細菌に救われたことをきっかけに、日本の発酵文化や腸の大切さを伝えるためのコト・モノ・しくみづくりに挑戦中。詳細はこちら>

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サーチュイン遺伝子は嘘なのか?!活性化方法と糖尿病・血糖値との関係

工藤孝文先生
この記事の監修ドクター:工藤内科副院長 工藤孝文先生 詳しくはこちら

空腹の時間を作ることで、
サーチュイン遺伝子(=長寿遺伝子)のスイッチをオンにして、若返ることができる

ここ数年、健康業界ではブーム?と言っていいほど、サーチュイン遺伝子の若返り神話が取り上げられていました。

そして最近、実はサーチュイン遺伝子と長寿や抗老化とは全く関連がなく、空腹時間を長くとっても、断食しても、サーチュイン遺伝子への影響はない、すなわち「サーチュイン遺伝子の効果はすべて嘘」という内容の論文が多く発表され、各研究論文の結論もかなり割れていることがわかってきました。

今回は、このサーチュイン遺伝子の若返り効果と活性化方法、そして新たに注目されている、サーチュイン遺伝子と糖尿病や血糖値との関係について整理してみましょう。

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目次

サーチュイン遺伝子とは?

サーチュイン遺伝子のメカニズムは、マサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテの研究グループが1999年発表したものです。

まずは、ウィキペディアで基本的な定義を確認してみましょう。

サーチュイン遺伝子は、長寿遺伝子または長生き遺伝子、抗老化遺伝子とも呼ばれ、その活性化により生物の寿命が延びるとされる。

サーチュイン遺伝子の活性化により合成されるタンパク質、サーチュイン(英語 Sirtuin)はヒストン脱アセチル化酵素であるため、ヒストンとDNAの結合に作用し、遺伝的な調節を行うことで寿命を延ばすと考えられている。

参考:ウィキペディア

「サーチュイン遺伝子」は、人間なら誰もが持っているタンパク質の一種で、活性化させることで細胞内の老化要因を抑える効果がある遺伝子だとされていました。

だから、どうにかして、

「サーチュイン遺伝子」を活性化させたい!

ということを考える人が増え、様々な研究がおこなわれていました。

その日本国内の火付け役となったのが、お医者さまの南雲吉則先生!
私が一番最初に「サーチュイン遺伝子」を意識したのは、実は南雲先生のことを知った時でした。南雲先生がおすすめしていたごぼう茶などは、メディアでも多く取り上げられたので、とても有名ですよね。

サーチュイン遺伝子を活性化する方法

まずはおさらいとして、かつて言われていた「サーチュインを活性化する方法」をご紹介したいと思います。一般的には、2つの方法があると言われています。

カロリーを制限する(空腹状態を保つ)

摂取するカロリーを、必要とされる適切なカロリー摂取量よりも減らし、その状態を長く続け、空腹状態を保つ。

▼サーチュイン遺伝子が長寿を作るメカニズム

空腹時におなかがなる
(腸の収縮運動が起きて、消化管内の空気が動き、食べ物と消化液が混ざっている音)

若返りホルモンと呼ばれている「成長ホルモン」が分泌される

サーチュイン遺伝子が発動する

レスベラトロールを摂取する

レスベラトロールとは、強力な抗酸化力を持ち、サーチュインに直接作用し、活性化を促すポリフェノールの1つ。カロリー制限をしなくても、レスベラトロールをとるだけでサーチュイン遺伝子が活性化する。

この2つの方法のうちどちらか、もしくは両方を実行すれば、サーチュイン遺伝子を実行し長寿になれると言われていました。

サーチュイン遺伝子で寿命が延びる?

サーチュイン遺伝子が私たちを長寿にしてくれるという根拠は、Leonard P. Guarente氏が1999年に発表した内容によるものです。

1:サーチュイン遺伝子の一種であるSIRT1遺伝子はほ乳類にあり、これのスイッチをオンにすると長寿になれる
2:サーチュイン遺伝子を活性化すると寿命が最大で50%も延びる、つまり長寿に関連している
参考:http://www.gohongi-beauty.jp/blog/?p=12940

しかし、実はこれ、酵母やミミズ、そしてハエなどの研究結果で、人間の長寿とは強い関連があるとはいえないという理由で否定する学者たちもたくさん出てきました。たしかに。人間とハエが全く同じになるかどうかは疑問が残りますよね。

 

サーチュイン遺伝子理論は嘘だと言われる理由

五本木クリニックの院長ブログに詳しく描かれていたのでご紹介したいと思います。

サーチュイン遺伝子と長寿は全く関係ないよ、と余分な研究をしたのはDavid Gemsというオジさんが率いるロンドン大学のチームです。この研究結果は泣く子もというかどんな研究者も崇め奉るNatureですから厄介です(そういえば弘法も筆の誤り的にSTAP細胞という幻想もありましたね)。

参考:http://www.gohongi-beauty.jp/blog/?p=12940

ロンドン大学の研究結果によると、「サーチュインは長寿のカギではないし、サーチュインによって寿命を伸ばす効果はない」ということが発表されています。

また、サーチュイン遺伝子を活性化する鍵の1つだとされていたレスベラトロールも効果は微妙なのでは?という研究結果が出ています。

長寿遺伝子とよばれるサーチュイン遺伝子がポリフェノールの1種類であるレスベラトロールによって活性化されることは動物実験で証明済みとしても(もちろん前述の論文のような反論もあり)、ネズミの体重を人間に換算した場合、赤ワインで考えた場合毎日100本近く飲まなければならないことになります。

参考:http://www.gohongi-beauty.jp/blog/?p=11157

「サーチュイン遺伝子」に関わらず、マウス実験ではOKだったけど、人間実験は効果が微妙っていう例がすごく多い気がします・・・若返りへの夢が遠のく気がしますね・・・

サーチュイン遺伝子の新しい可能性

空腹になることによって、サーチュイン遺伝子が若返り効果を生み出すかどうかは置いていて、今はまた違った病気などとの関連を調べる実験が行われているそうです。

サーチュイン遺伝子の新説:サーチュイン遺伝子=高血糖ストップ遺伝子である?

金沢医科大学の古家先生によると、サーチュイン遺伝子は高血糖ストップ遺伝子と言われ、血糖値の上昇をストップしてくれる作用があると言われています。

金沢医科大学の古家先生は、糖尿病合併症と老化研究、糖尿病患者のきめ細やかな生活指導を行っているお医者さまで、「老けない人は腹七分め」という本を出版されています。

金沢医科大学糖尿病・内分泌内科学教授。
昭和59年滋賀医科大学医学部卒業。
平成4年同大附属病院第三内科助手。
平成6年ハーバード大学医学部ジョスリン糖尿病センター研究員。
滋賀医科大学医学部附属病院内科講師を経て、平成17年金沢医科大学内分泌代謝制御学部門教授。
平成22年名称変更。糖尿病合併症と老化研究、糖尿病患者のきめ細やかな生活指導を行っている

参考:老けない人は腹七分め 若返り遺伝子が活性化する食べ方

高血糖ストップ遺伝子の根拠1:ウィスコンシン大学の猿実験

ABC朝日放送の「たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学」の中で、「健康寿命をのばす最新!2つの老化ストップ法で高血糖ストップ遺伝子」が特集された際には、古家先生の説明とともに、こんな実験結果も紹介されました。

ウィスコンシン大学医学公衆衛生学部准教授のロザリン・アンダーソンさんたちは合計76匹のサルを2つのグループに分け、一方は普通に育て、もう一方は高血糖ストップ遺伝子を活性化させ育てました。

研究がスタートしたのは28年前。普通のサルと高血糖ストップ遺伝子を活性化させたサルの一生をつぶさに観察しました。普通に育てたグループは年齢と共に血糖値が上昇。

ほとんどのサルが加齢によって高血糖状態になっていました。ところが、高血糖ストップ遺伝子を活性化させて育てたサルは年をとっても血糖値はほとんど上昇しなかったのです。

参考:https://tvmatome.net/archives/7414

28年間という長期的な研究なので、信頼性も高いように思います。高血糖でお悩みの方を助ける遺伝子となるかもしれません。

高血糖ストップ遺伝子の根拠2:九州情報大学の相撲部の場合

九州情報大学の相撲部では、夜7時~次の日の昼12時まで約17時間も食事をとらない「絶食時間」を作っているとのこと。血糖値の検査をしたところ、あまり上がらないことがわかっています。

九州情報大学の相撲部の学生力士たちはサーチュイン遺伝子を活性化させているため血糖値が上がらないと言います。

サーチュイン遺伝子を活性化させるポイントは食事をとっていない絶食時間の長さにあるのです。

参考:https://tvmatome.net/archives/7414

サーチュイン遺伝子を活性化させることによる若返り効果も気になりますが、この血糖値や糖尿病への影響も今後注目されそうです!!

 

サーチュイン遺伝子まとめ

結局のところ、サーチュイン遺伝子が空腹でいることによって活性化し、長寿につながるかどうかはまだ定かではありません。

ただ、体感的にとても若く見える人は、1日2食であったり、腹八分目だったりと、空腹でいる時間を一定時間確保しているように思わざるを得ません。

タレントさんで言えば、京本正樹さんとか、タモリさんとか、若く見える人や肌がきれいな人は、1日2食を公言している方も多く、食事面の共通点がありそうです。

また、サーチュイン遺伝子の高血糖ストップ遺伝子としての働きも注目です。

ウィスコンシン大学で行われた猿実験はもちろんのこと、日本でもお相撲さんの血糖値上昇が少ない理由は、やはり特殊な食習慣が影響している可能性が高そうです。

まだまだサーチュイン遺伝子については分からないことが多いけど、もう少しはっきりとした答えが見えてくるまでこの問題はちゃんと追っていきたいです。みなさんもアンチエイジングや腸活の参考にしてみてくださいね。

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