ファスティング・プチ断食が腸内環境にもたらす奇跡、オートファジーとは?【論文紹介】

健康的な体をなるべく長く保つにはどうしたらいいのか…

人生100年時代と言われるようになってから、誰もが1度は考えた疑問だと思います。

この疑問への答えとして、注目されているのが、「オートファジー」です。

空腹時間を作り、わざと飢餓の状態を作ることは、わたしたちヒトの体に大きな影響を与えます。そしてもちろん、腸内環境にも。

今回は、ファスティング・プチ断食が腸内環境にもたらす奇跡、オートファジーの体への影響について整理してみたいと思います。

※この記事は長谷川ろみのStand.fm「聴くだけ腸活ラジオ」内での話題を元に原稿にしています。
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オートファジーとは?

人間はもちろん、酵母や植物、動物など多くの生物に生まれたときから備わっている、古くなった細胞を生まれ変わらせるリサイクル機能のことを「オートファジー」と言います。


酵母や植物、動物など多くの生物が持っている、古くなった細胞を生まれ変わらせるリサイクル機能のこと

具体的には、細胞の中に貯まったゴミを排除したり、整理したりして、生きていくために必要なたんぱく質に作りかえます。

細胞の中のゴミの例:
変形してしまった古いたんぱく質
機能的に不良なミトコンドリア
体の外から侵入してきた病原菌など

昔からこのしくみについては研究が行われていましたが、2016年に東京工業大学栄誉教授の大隅良典教授が「オートファジーのメカニズムの発見」というテーマでノーベル医学・生理学賞をとったことで、一気に注目されました。

オートファジーがはじまると、膜で囲まれた袋「オートファゴソーム」と「分解酵素」が協力して、ゴミを分解していきます。

キッチンにある、シンクの排水口に設置する生ゴミ処理機「ディスポーザー」のようにどんどんゴミを分解していきます。

間違って分解しなくていいものを入れてしまったらと心配になりますが、これがかなり高度で間違うことはあまりないそうです。

しかし、現代人はこの高機能なゴミ処理機能「」をあまり稼働できていません。なぜなら「オートファジー」は、空腹の時にはじめて稼働開始するからです。

オートファジーの稼働条件

」は、空腹になると自動でスイッチが入ります。
逆に言えば、空腹を感じないといつまでもスイッチが入ることはありません。

現代は、飽食の時代。
空腹時間は意識して作らないと作れません。

せっかくついている「」というリサイクル機能が、ちゃんと使えていない人が多いことが予想できます。

古代の狩猟・採集を基本とする時代、その後、稲作の技術が伝わってはじまった農業の時代もわたしたちは毎日食料にありつけるかわからない生活をしていました。

いってみれば、常に空腹との戦いです。

しかし、今はどうでしょう?

お買い物に行けば、いつでも食料が手に入ります。

輸送や保存の技術も発達し、季節の違いや地域の違いもほとんどなく、食べたいものが食べたい時に食べられてしまう。冷蔵庫に保管しておけば、いつでも自由に食べることができる。

」というリサイクル機能を使うタイミングがないのです。

「断続的な断食」とは?

そこで最近研究が進んでいるのは、「断続的な断食」と言われる、数時間の断食やファスティングです。

断続的な断食
=24時間のうち、8時間だけ食べ物を食べ、残りの16時間は何も食べないという食事コントロール法

ちょっと前までは、断食と言えば、1か月、1週間、少なくとも数日はなにも食べない方法があたりまえでした。

しかし、これはある程度の覚悟がないとできません。

リスクも伴うので、前後に予定も建てられないし、プロの方の指導も必要です。食べられないことによるストレスも意外とキケンで、体に思わぬ悪影響がある可能性もあります。

一方で「断続的な断食」は、数時間のみ。ちょっと習慣を変えるだけなので、通常の断食よりも気軽に挑戦できます。

パターン1
夜20時までに夕飯を食べる
次の日の12時前は何も食べない

パターン2
朝9時までに朝食を食べる
夕食は夕方17時までに食べてそのあとは食べない

16時間空腹の時間が作れれば、何時から何時まででもOKです。
自分のライフスタイルによって調整できるのが、人気の理由のひとつになっています。

「断続的な断食」の効果

普通の断食よりも、体への変化が少なくて意味がないのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、そんなことはないんです。

「断続的な断食」でも十分な効果があることがわかっています。

例えばアメリカベイラー大学で行われた研究(※1)では、3~12週間の断続的断食でも、、体脂肪、総コレステロールを減らしたとのデータが発表されています。

→約3%~7%減
体脂肪→約3~5.5 kg減
総コレステロール→約10%~21%減

またオランダのヴァーヘニンゲン大学の研究(※3)では、腸内細菌叢の構造と機能を変化させ、概日リズムの乱れに関連する疾患が予防できると言われています。

概日リズムの乱れは、肥満やメタボリックシンドローム、うつ病や糖尿病にも関連が深いと言われているので多くの現代病予防ができる可能性があります。

断続的な断食の主な効果
・内臓の疲れがとれて、内臓の機能が高まる
・血糖値が下がり、血管障害が減る
・脂肪が分解され、体重や体脂肪やコレステロールが正常化する
・細胞が生まれ変わり、体の不調や老化の進行が改善される
・腸内細菌叢が多様化する など

」を発動させる裏ワザ

ここでどうしても空腹が耐えられない方に朗報です。

空腹以外に「」を発動させる方法としてコーヒーなどに含まれるカフェインが注目されています。

中国の抗ストレスおよび健康研究センターなどが発表した内容によると、カフェインはオートファジーを活性化させて、酸化ストレスによる肌の老化を遅らせる働きがあると言われています。

研究はまだまだ必要ですが、2014年にフランスのパリシュッド大学などの研究チームが発表したマウス実験の内容によると、普通のコーヒーでもカフェイン抜きのコーヒーでも、どちらもオートファジーを誘発したとのことで、カフェインだけでなく、コーヒーに含まれるポリフェノールが、オートファジーを刺激している可能性も注目されています。

参考にしてみてね。

ばいばいきん。

参考:紹介論文&研究結果

※1 Effects of intermittent fasting on body composition and clinical health markers in humans
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26374764/

※2 Metabolic Effects of Intermittent Fasting
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28715993/

※3 Intermittent fasting contributes to aligned circadian rhythms through interactions with the gut microbiome
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33530881/

※4 Caffeine Protects Skin From Oxidative Stress-Induced Senescence Through the Activation of Autophagy
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30555576/

※この内容は、診断・治療または医療アドバイスを提供しているわけではありません。あくまで情報提供のみを目的としています。
※診断や治療に関する医療については、医師または医療専門家に相談してください。この内容は医療専門家からのアドバイスに代わるものでもありません。

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長谷川ろみ

本サイトの編集長|元おデブの腸活研究家|腸内細菌に救われたことをきっかけに、日本の発酵文化や腸の大切さを伝えるためのコト・モノ・しくみづくりに挑戦中|イライラおデブ→海外逃亡→腸覚醒→元楽天→腸活ドリル準備中|健康経営アドバイザー|発酵ライフ推進協会本校オンライン校長|著:発酵菌早わかりマニュアル|
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