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長谷川ろみ
編集長:長谷川ろみ麹のちから推進委員会代表。元おデブの腸活研究家。腸内細菌に救われたことをきっかけに、日本の発酵文化や腸の大切さを伝えるためのコト・モノ・しくみづくりに挑戦中。詳細はこちら>

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ダイエットでフルーツを活用するコツと注意点!果物だけダイエットが危険な理由

「フルーツって腸活にイイの?」という質問をたまにいただきます。

どんな食べものでも一緒ですが、食べものにはいろんな成分が入っているので、腸にも「良いもの」と「悪いもの」の両方が入っています。

フルーツも例外ではなく、腸活に良い成分も入っていますが、食べ過ぎるとよくない成分も入っているので、上手なつき合い方が必要ですよね。

今日は、腸活ダイエットでフルーツを活用するコツを整理しながら、腸内細菌とフルーツに関する研究論文もご紹介したいと思います。

※この記事は長谷川ろみのStand.fm「聴くだけ腸活ラジオ」内での話題を元に原稿にしています。
音声で聞きたい方はコチラ>
目次

フルーツがダイエットに良い理由

まずはフルーツがダイエットや腸活によいとされる理由を、3つご紹介します。

1:食物繊維がたくさん含まれている

フルーツには、食物繊維がたくさん含まれています。

食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。

水溶性食物繊維:腸内細菌のエサになる
不溶性食物繊維:腸のぜん動運動を促す

フルーツには、この2つの食物繊維の両方が含まれているものが多く存在します。

特に、キウイやリンゴ、そしてみかんなどの柑橘類は、食物繊維のバランスが良いものが多くおすすめです。

不溶性食物繊維は多くのフルーツに含まれていますが、水溶性食物繊維が含まれているフルーツは多くはありません。

不溶性食物繊維が2に対し、水溶性食物繊維が1がよいバランスだと言われています。

不溶性食物繊維:水溶性食物繊維=2:1

一般的に水溶性食物繊維が多く含まれると言われているフルーツでも、なにがいちばん自分の腸に合うかはわからないので、やっぱり試してみるのがいちばん良いと思います。

自分の腸内細菌に合うフルーツを見つけてみましょう。

2:ビタミンCがたくさん含まれている

フルーツには、ビタミンCがたくさん含まれています。

ビタミンC (アスコルビン酸)
=水溶性ビタミンなので水に溶けやすい
=骨や腱などの結合タンパク質であるコラーゲンの生成に使われる

ビタミンCは、お肌に良いというイメージが強いと思います。

コラーゲンの合成を助けたり、紫外線からお肌を守ってくれるという意味で、シミやしわを防ぐ効果が注目されています。

でも、ビタミンCの期待効果はそれだけではありません。

実はビタミンお肌だけではなく、腸にとっても大事なビタミンなんです。

ビタミンCが大腸まで届くと、食物繊維などと同じように腸内細菌たちを元気にすることがわかっています。

ビタミンCはアスコルビン酸という酸の一種なので、腸内環境まで届くと、腸内を酸性にし、善玉菌が生活しやすい環境を作ってくれます。

酸性に傾くと、腸のぜん動運動が活発になり、便秘になりにくい、デトックスしやすい腸になります。これが、ビタミンCが便秘解消に効果があると言われる理由です。

便秘解消できれば、腸内に溜まった腐敗物から腐敗ガスが出ることも少なくなり、肌がキレイになります。

ビタミンCが多いフルーツと言えば、レモンが思い浮かぶ方も多いかもしれませんが、レモンはもちろんキウイ、いちご、そして柑橘類全般に多いと言われています。

3:ファイトケミカルがたくさん含まれている

フルーツには、ファイトケミカルがたくさん含まれています。

ファイトケミカル(phytochemical)
=植物が紫外線や昆虫などの有害なものから身を守るために作りだされた色素や香り、辛味、苦み、ネバネバなどの成分のこと

植物は、動物のように自由に移動できません。移動できれば逃げることができますが、植物は物理的に逃げることができないため、体の中に敵が嫌がる毒のようなものを持っています。

例えば、紫外線から身を守るための色素、そして害虫などから身を守るための苦みや辛味などです。

植物の敵になる害虫からすると辛い成分ですが、人間にとってはありがたい成分です。

カテキン(※1)
=脂肪燃焼効果あり
=りんご、ブルーベリーなどに含まれる

ヘスペリジン
=血行促進効果あり
=みかんなどに含まれる

ケルセチン
=抗酸化作用、アレルギー抑制効果あり
=たまねぎ、りんごなどに含まれる

こんな良い成分がたくさん含まれるフルーツですが、食べ過ぎると心配なこともあります。

フルーツがダイエットを邪魔する理由

フルーツには、果糖がたくさん含まれています。
果糖には、ダイエットに不向きな理由があります。

1:果糖は脂肪になりやすい

果糖は、別名「フルクトース」と言います。

果糖(フルクトース)
=単糖類:これ以上分解できない小さな糖
=中性脂肪になりやすい

果糖は単糖類と呼ばれる、消化してもこれ以上分解できない小さな糖の仲間です。

単糖類にはほかにもブドウ糖がありますが、ブドウ糖に比べて中性脂肪になりやすいことがわかっています。

糖は小腸から吸収され、肝臓に運ばれます。
肝臓では、ブドウ糖よりも果糖のほうが早く処理されて、早く中性脂肪に合成されてしまうことがわかっています。

果糖はブドウ糖と違って、血糖値は上昇させません。
しかし、中性脂肪にはなりやすいんです。

果糖=血糖値は上昇しにくい・中性脂肪になりやすい
ブドウ糖=血糖値は上昇しやすい・中性脂肪になりにくい

フルーツだけのダイエットがキケンなのはそのためです。
中性脂肪になりやすいので、体重は減っても、体脂肪率は増えてしまう可能性が高いのです。健康状態も心配です。

また、2020年にアメリカのペンシルバニア大学の研究(※2)によると、果糖をエサにしている腸内細菌が、脂肪を作るのを手伝ってしまうことも発表されています。

糖が脂肪になるまでには、まずクエン酸に分解されて、アセチルコエンザイムエーに分解されて、それが脂肪になると言われています。

糖→クエン酸→アセチルCoA→脂肪

この変換フローを人工的に止めたら脂肪は作られないハズですが、止めても脂肪が作られることがわかりました。

原因は腸内細菌です。腸内細菌が作った酢酸が脂肪になってしまう新しい経路が見つかりました。

果糖→酢酸→アセチルCoA→脂肪

良かれと思って作ってくれた酢酸が、なんと脂肪になっているとは…。
腸内細菌もびっくりですね。

2:果糖は老化しやすい

ダイエットとは関係ありませんが、果糖にはもうひとつ注意すべきことがあります。

それが、老化を促進する物質「AGE」です。

AGE
=終末糖化産物(Advanced Glycation End Products)
=ぶどう糖や果糖がくっついて劣化したタンパク質のこと

AGEはぶどう糖や果糖がくっついて劣化したタンパク質のことで、特にブドウ糖よりも果糖のほうが早く作られてしまうことがわかっています。また、果糖から作られたほうが毒性が強くなりやすいとも言われています。

AGEが増えると、体中のタンパク質が劣化します。

コラーゲンなどのタンパク質が劣化する→しわ、たるみ、くすみが発生
血管を作るたんぱく質が劣化する→動脈硬化、認知症、がんなどが発生

やはりフルーツの食べ過ぎは良くないですね。

フルーツダイエットをするコツ

フルーツダイエットをするなら気をつけましょう。

1:食べ過ぎない(○○だけ食べをしない)

いくらビタミンやミネラル、食物繊維や水分がたっぷりとれても、脂肪が増えて、体が老化したら意味がありません。りんごだけダイエット、グレープフルーツダイエットなどの一品ダイエットは避けましょう。

2:食べるなら食前

フルーツは食物繊維が多いので、血糖値が上がりにくいのが特徴です。
水分も多いので、時間をかけて食べれば食欲が押さえられます。

食後より食前に食べたほうが、全体的にみて食事量を減らせる可能性が高くなりそうです。

参考にしてみてね。

ばいばいきん。

参考:研究結果&論文等

Effects of catechin-enriched green tea beverage on visceral fat loss in adults with a high proportion of visceral fat: A double-blind, placebo-controlled, randomized trial
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1756464611001162

Dietary fructose feeds hepatic lipogenesis via microbiota-derived acetate
https://www.nature.com/articles/s41586-020-2101-7

※この内容は、診断・治療または医療アドバイスを提供しているわけではありません。あくまで情報提供のみを目的としています。
※診断や治療に関する医療については、医師または医療専門家に相談してください。この内容は医療専門家からのアドバイスに代わるものでもありません。

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