ケトジェニックダイエットをすると、痩せ菌は増える?糖質制限と腸内環境の変化まとめ

糖質制限ダイエットのひとつ、「ケトジェニックダイエット」

飽食の時代に生きるわたしたちは、どうしても糖質をとりすぎてしまうという問題に直面しています。

そんな時、ゆる糖質制限であれば、健康になり、かつダイエット効果も即効性が高いのでは…?

そんな理由からケトジェニックダイエットはとても注目されています。

その一方で、糖質を制限すると、腸内細菌のエサも不足してしまうという心配も…

今回は、」をすると腸内環境はどうなるのか、科学的論文を確認しながらまとめてみたいと思います。

※この記事は長谷川ろみのStand.fm「聴くだけ腸活ラジオ」内での話題を元に原稿にしています。
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ケトジェニックダイエットとは?

ケトジェニックダイエットとは、体を「ケトーシス状態」にすることを重視したダイエット法のことです。

ヒトの体は、食べものから得られる糖類を分解して作るブドウ糖(グルコース)を主なエネルギー源にしています。

しかし糖質制限をして糖類があまり供給されなくなると、ヒトの体は予め予備として蓄積されている脂肪を分解して「ケトン体」という物質を作ります。

この「ケトン体」をエネルギー源にしている状態のことを「ケトーシス状態」と言います。

ケトーシス状態
=糖質から作られるブドウ糖(グルコース)が作れなくなった時に、体に蓄積された脂肪を分解してケトン体をエネルギー源にしている状態

ケトーシス状態は、糖類が十分に供給されている時にはなりません。

結果的に糖質を多少は制限することになるので、糖質制限ダイエットのひとつだと言われています。

ただ、炭水化物を全く採らないダイエット法ではありませんし、炭水化物をとるかとらないかに焦点を合わせたダイエット法とも少し違います。

もともと持っている脂肪をエネルギーにしていこう!

これがケトジェニックダイエットの基本的な考え方です。

ケトーシス状態を作る食事「ケトン食」

ケトーシス状態を作る食事のことを「ケトン食」と言います。

「ケトン食」は、食事療法のひとつとして医療現場でも使われています。

有名なのは、てんかんという病気がケトン食によって緩和するという事実です。

2008年にイギリスで行われた研究(※1)によると、抗てんかん薬で改善しなかったてんかんの患者さん145人に3か月間ケトン食を食べてもらったら、90%以上の発作が減少した方が7%、50%以上の発作が減少した方が38%もいたという研究データがあります。

もちろん全員が緩和する方法ではないし、改善しない方もいらっしゃいます。

しかし、体内の代謝方法が代わる可能性がある方法のひとつとして注目されています。

そして、もうひとつ注目されているのが、なぜ代謝方法が変わったのかということです。その理由のひとつは、腸内細菌のバランスが変化したことだと言われています。

「ケトン食」を食べると腸内環境はどうなるか?

2018年にアメリカのカリフォルニア大学から発表されたマウス実験の研究報告(※2)をご紹介します。

この研究では、マウスにケトン食を与えたところ、腸内細菌のバランスが変化したことを発表しています。

・ケトン食によって、アッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphila)とパラバクテロイデス属(Parabacteroides sp)の菌が増えた

・この2つの菌が協力すると脳を興奮させる神経伝達物質であるグルタミン酸よりも、脳を鎮める伝達物質であるGABAのレベルを上昇させた

てんかんの原因はさまざまですが、発作が起こる仕組みのひとつに、興奮性の神経細胞のグルタミン酸のはたらきが過剰になることが挙げられます。

ケトン食によってグルタミン酸のはたらきが弱まり発作が起きにくくなることがわかります。また増えた菌のアッカーマンシア菌は、有名な痩せ菌の一つです。

痩せ菌が増えるので、ケトン食は痩せやすい体づくりにも効果があると言われています。

これからの「ケトン食」の可能性

「ケトン食」は、てんかんの解決法として注目されているだけではありません。

2020年にカリフォルニア大学等の研究チームが発表した内容(※3)によると、ケトン食は、自己免疫疾患に伴う炎症も減らせるという研究結果も出てきています。

対象者を2つのグループに分け、食事管理をしました。

グループ1:普通の西洋食
炭水化物50%、タンパク質15%、脂質35%

グループ2:ケトン食
炭水化物5%、タンパク質15%、脂質80%

1か月後に腸内細菌叢の変化をみたところ、やはりケトン食をとったグループ2の方たちの腸内細菌叢に大きな変化がありました。

グループ2の方たちの腸から細菌群を抽出し、マウスの腸に挿入したところ、自己免疫疾患に伴う炎症を減らせることがわかりました。

食事のバランスはって、腸内細菌叢を大きく変えます。

今回ケトン食に変更したことで増えたアッカーマンシア菌は、肥満や糖尿病を防ぐと言われている痩せ菌の一種で最近注目されている菌だけど、腸内環境があまりよくない状態で増えてしまうと、腸の粘膜を食べてしまう可能性もあると言われています。

何事もバランスで、極端に変更するのはリスクもあります。
極端な糖質制限は怖いけど、糖質を採りすぎていると自覚している方は、この機会に食事のバランスを見直してみてね。

ばいばいきん。

参考:紹介論文&研究結果

※1 The ketogenic diet for the treatment of childhood epilepsy: a randomised controlled trial
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18456557/

※2 The Gut Microbiota Mediates the Anti-Seizure Effects of the Ketogenic Diet
https://www.cell.com/cell/fulltext/S0092-8674(18)30520-8

※3 Keto Diet Might Change Your Gut in More Ways Than One
https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/dieting-to-lose-weight-health-news-195/keto-diet-might-change-your-gut-in-more-ways-than-one-757869.html

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