難問「どのくらいの期間、腸活したらいいですか?」への答え【腸活論文紹介】

よく聞かれる質問です。

「どのくらいの期間、腸活したらいいですか?」

むむむ。これだけだとかなりの難問。質問の意図がわからなくて、答えに迷います。

瞬間的に浮かんだ答えはこの3つ。

答え1:死ぬまで、一生です
答え2:2~3か月です
答え3:2週間です

いくつか答えが浮かんでしまうのは、人によって腸活のゴールが違うから。

腸活のゴールが病気や老化予防なら一生続くし、いったん便秘改善が体感できるまでなら、答え2か3…。ある意味、3つとも正解です。

今回は、「そもそも腸内環境はどのくらい変わりやすいのか?」、この単純に見えて、複雑な質問の答えを整理してみたいと思います。

※この記事は長谷川ろみのStand.fm「聴くだけ腸活ラジオ」内での話題を元に原稿にしています。
音声で聞きたい方はコチラ>

腸内環境はなかなか変化しない

よく「ヒトの腸内環境は、3歳ごろまでに決まってしまう」と言われます。

自然の中でたくさんの菌に触れて育った赤ちゃんは、腸内にたくさんの種類の菌を獲得します。そして、腸内環境も免疫細胞も安定します。

一方、カンペキに抗菌・除菌された環境で育った赤ちゃんは、免疫細胞が不安定になりやすく、アレルギーや花粉症、ウイルス性疾患にかかりやすくなると言われています。大人になってから新しい菌をいくら獲得しようとしても、なかなか定着しません。

でもこれは、あくまで菌の種類のはなし。

大人になると、新しい菌を獲得することはできませんが、腸活をすることで菌の数(割合)を変えることはできます。

人によってあらかじめ獲得した菌の種類にハンデはあるものの、少ない菌を多くしたり、多い菌を少なくしたり、獲得済みの菌のバランスを整えることはできるのです。

他人の腸内環境と比べることが無意味な理由は、ここにあります。

それぞれの腸にはクセがあり、常にバランスを整えておくことが望ましいので、腸活は一生続ける必要があります。

腸内環境は意外とすぐ変化する

アメリカの学術雑誌ネイチャーコミュニケーションズに掲載された(※1)おもしろい実験があります。

都心部で暮らす人と農村部で暮らす人の食生活を2週間入れ替えて、腸内環境にどんな変化があるか調べたもの。

1:アメリカの都心部に住むアフリカ系アメリカ人(20名)
動物性タンパク質と動物性脂肪の摂取量が多い(低繊維・高脂肪食)
大腸内視鏡検査による大腸がんバイオマーカーが多い
抗炎症作用と腫瘍抑制作用があると言われる酪酸産生菌が少ない
2:アフリカの農村部に住むアフリカ系アフリカ人(20名)
炭水化物と繊維質の摂取量が多い(高繊維・低脂肪食)
大腸内視鏡検査による大腸がんバイオマーカーが少ない
抗炎症作用と腫瘍抑制作用があると言われる酪酸産生菌が多い

この実験では、たった2週間食事を交換しただけで、腸の状態も交換されました。(アメリカ人の大腸がんバイオマーカー減少、アフリカ人の大腸がんバイオマーカー増加)

完全に食事を変えると、2週間でも腸内環境が変わる例です。

これはかなり極端な例ですが、他の論文などを見ても2~3か月単位で変化がある論文が多いように思います。

以前、腸内環境検査を提供している企業の研究者の方にお話しを聞いたことがあるのですが、きちんと生活習慣を変えると2か月ぐらいで腸内環境の細菌割合は大きく変わるので、2か月に1度の検査をおすすめしているとおっしゃっていました。

腸活は一生つづく、健康習慣のひとつです。やめてしまったら元通りになる可能性も高いですが、完全にガラッと習慣を変えると2週間で変化を感じる可能性もあります。

参考にしてみてね。

参考:研究結果&論文等

(※1)Fat, fibre and cancer risk in African Americans and rural Africans
https://www.nature.com/articles/ncomms7342

※この内容は、診断・治療または医療アドバイスを提供しているわけではありません。あくまで情報提供のみを目的としています。
※診断や治療に関する医療については、医師または医療専門家に相談してください。この内容は医療専門家からのアドバイスに代わるものでもありません。

The following two tabs change content below.

長谷川ろみ

本サイトの編集長|元おデブの腸活研究家|腸内細菌に救われたことをきっかけに、日本の発酵文化や腸の大切さを伝えるためのコト・モノ・しくみづくりに挑戦中|イライラおデブ→海外逃亡→腸覚醒→元楽天→腸活ドリル準備中|健康経営アドバイザー|発酵ライフ推進協会本校オンライン校長|著:発酵菌早わかりマニュアル|
▼プロフィール詳細はこちら>
▼活動内容詳細はこちら>
▼取材やお仕事のご依頼はこちら>