やせ菌の正体は?アッカーマンシア ムシニフィラ菌の増やし方

残念なことに、ヒトには「痩せやすい人」と「痩せにくい人」がいます。ダイエット中の方ならだれでも、「痩せやすい人」になりたいと思うはず。

そのために近年注目されているのが腸内環境です。腸内環境のバランスがよく、腸内にやせ菌が十分にいる人は太りにくいと言われますが、それは本当なのでしょうか?夢のようなはなしに聞こえがちですが、やせ菌については多くのエビデンスがあり、ダイエット業界の常識になりつつあります。

今回は、具体的な菌名を出し、やせ菌の正体を明確にしながら、やせ菌を腸内に増やし、やせ体質を目指す方法を整理してみましょう。

やせ菌の正体は?

ダイエットをしている方の間では、とても注目が高いやせ菌。
ひとことにやせ菌と言っても、その定義はあいまいです。まずは、その定義から整理してみましょう。

やせ菌
=人間の太りやすさに関係している菌。特にこの菌が腸内に少ないと太りやすくなる。

やせ菌がやせ菌と呼ばれる大きな理由のひとつに、インスリン(血糖を下げるホルモン)のはたらきにかかわりがあることがあげられます。

インスリン
=すい臓で作られるホルモン
=血液中の糖の量を調節し、血糖値を一定に保つ働きをする

インスリンは血液中の糖の量を調節して、血糖値を一定に保ちます。しかし、ダイエット中の方にとっては、このインスリンがくせ者です。インスリンが大量に分泌されると、血液中の糖を脂肪に変えて、体にためこみやすくなると言われています。

やせ菌はこのインスリンの調整に関わり、太りにくい体づくりに役立ってくれます。

「やせ菌」とは、人間を太りにくくしてくれる菌全般を示す総称です。「やせ菌」という名前の菌がいるわけではありません。ひとことに「やせ菌」と言っても、その種類はたくさんあります。

やせ菌=バクテロイデーテス門の菌である

腸内には、大きくわけると3種類の菌がいます。

1:善玉菌
2:悪玉菌
3:日和見菌

善玉菌は、人間にとってよいことをする菌、悪玉菌は、人間にとって悪いことをする菌です。最後の日和見菌がくせ者です。腸内環境のバランスがよい時は善玉菌と同じようなはたらきをする一方で、腸内環境のバランスが悪い時は悪玉菌と同じようなはたらきをします。

腸内環境全体の空気を読んで、自分の行動を変えるのが「日和見菌」です。この日和見菌を菌種ごとに4つにわけてみましょう。

ファーミキューテス門
バクテロイデーテス門
アクチノバクテリア門
プロテオバクテリア門

このうちやせ菌と呼ばれるのは、バクテロイデーテス門を指します。そして、デブ菌と呼ばれるのは、ファーミキューテス門です。痩せやすい人の腸内にはバクテロイデーテス門の菌が多く、太りやすい人の腸内にはファーミキューテス門の菌が多くなります。

有名なやせ菌と言えば、アッカーマンシアムシニフィラ

バクテロイデーテス門の菌の中でもエビデンスが多く、注目されやすい菌がいます。

その菌の名前は、アッカーマンシアムシニフィラ(Akkermansia muciniphila)です。アッカーマンシア菌と呼ばれることもあります。

アッカーマンシア菌は、2004年に健康なヒトの便から発見されました。特徴的なのはヒトの胃や腸などの消化管の粘膜に含まれる「ムチン」を食べて生きる菌であること。

オランダの微生物学者アントーン・アッカーマンスさんの名前と好物であるムチンから名前を「アッカーマンシアムシニフィラ」とつけられました。

やせ菌がいる人といない人の特徴

アッカーマンシア菌は、多くのヒトの腸にいる一般的な菌です。生まれたばかりの赤ちゃんの便からもよく発見されるので、めずらしい菌ではありません。

しかし、たまにアッカーマンシア菌が存在しない、もしくは存在しても数が少ない人がいます。その特徴は、太っていること。太っている人の腸には、アッカーマンシア菌は少なくなることがわかっています。

アッカーマンシア菌がいない、または少ない人
1:肥満の人
2:2型糖尿病(成人発症型)の人

科学的論文紹介:やせ菌の特徴

ここで、ルーヴァン・カトリック大学(ベルギー)をはじめとする研究チームが科学ジャーナル「Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS)」で発表したアッカーマンシア菌の特徴をと紹介しましょう。

特徴1:ヤセているマウスのお腹にたくさんいる

アッカ―マンシア菌は、肥満および2型(成人発症型)糖尿病のマウスの腸内環境内には少ない。

特徴2:腸内環境叢に存在すると、代謝不全が改善する

アッカ―マンシア菌が少ない、肥満および2型(成人発症型)糖尿病のマウスに、菌を投与すると、脂肪量の増加、代謝性内毒素血症、脂肪組織の炎症、およびインスリン抵抗性など高脂肪食に由来する代謝不全の改善をもたらした。

特徴3:アッカ―マンシア菌は増やせる

アッカ―マンシア菌が少ない、肥満および2型(成人発症型)糖尿病のマウスに、腸内細菌のエサであるオリゴフルクトースのような難消化性食物繊維を投与すると、アッカ―マンシア・ムシニフィラ菌は増える。

上記の実験はマウス実験ではありますが、食事の変化によって、アッカーマンシア菌を増やすことができました。

科学的論文紹介:やせ菌の増やし方

ここではスウェーデン・ヨーテボリ大学のやせ菌についての研究報告を紹介します。

この研究では、魚油の有益な効果とラードの有害な効果を示すために、魚油とラード(豚の脂)をマウスに11週間食べさせて、カラダの代謝活動がどのように変化するか調べました。すると、腸内環境に変化が起こることがわかりました。

ラードを食べたマウス
⇒腸の炎症を起こす、「ビロフィラ属の細菌」が増殖
魚油を食べたマウス
⇒体重増加を抑え、グルコース代謝を改善する、「アッカ―マンシア・ムシニフィラ菌」が増殖

魚の油に含まれるDHAやEPA。腸内環境を整えると言われていますが、どうやらやせ菌を増やすこともできそうです。

増やし方1:食事で増やす

DHAやEPAが含まれる魚は以下のとおりです。

▼DHAをたくさん含むお魚の例
アジ
サバ
サンマ
サワラ
ブリ
イワシ

青魚だけではなく、油分の多いマグロやトロの部分もおすすめです。一人暮らしの人にとって、魚をわざわざ買ってきて調理するのは難しいかもしれません。そんな時におすすめなのは缶詰めです。1缶でだいたい1000mg以上が摂取できるので、1日1/2缶でも十分です。

▼可食部100gあたりに含まれるDHAの量
さば水煮缶:1300 mg
いわし水煮缶:1200 mg
いわし かば焼缶:1400 mg
さんま かば焼缶:1200 mg
さんま 味付缶:1700 mg
※文部科学省「日本食品標準成分表 2015年版(七訂)脂肪酸成分表」より

増やし方2:サプリ購入で増やす

食品からとるほうがおすすめですが、料理がニガテな方や缶詰が好きではない方はサプリで増やすこともできます。

魚の油に含まれる「DHA」や「EPA」のサプリは、そんなに高額ではありません。サプリを購入する場合は、1日の摂取量をよく考えて、必要量が含まれたサプリメントを選んでみてください。

以前、サプリで栄養を取ろうとして成分を見たところ、DHA量もEPA量も少なくてがっかりしたことがあります。でもうまく選ぶことができたら、毎日の食生活のメニューに関係なく、軽い気持ちで摂取できそうですね。

まとめ

やせている人に多いと言われるやせ菌の正体は、人間の太りやすさに関係している菌の総称でした。特にバクテロイデーテス門の菌のことをやせ菌と呼ぶことが多く、中でもエビデンスが多いやせ菌の代表格はアッカーマンシアムシニフィラ(Akkermansia muciniphila)です。

アッカーマンシアムシニフィラ(Akkermansia muciniphila)はだれの腸にもいるありふれた菌ですが、太っている人の腸ではなかなか育ちません。やせ体質になりたいなら食事に気をつけて、増やすためにEPAやDHAを意識してとることが必要です。

アッカ―マンシア・ムシニフィラ菌を増やして、ダイエットを効率的にすすめましょう!

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