デブ菌・痩せ菌ダイエットは嘘?!肥満度やBMIと腸内細菌叢の関係は?菌サプリや短期腸活だけでは痩せない理由

困った人
結局、痩せ菌ダイエットは嘘?そもそも痩せ菌やデブ菌なんているの?胡散臭いなぁ…

今回は、こんな疑問にお答えします。

本記事の結論
・痩せ菌ダイエットは嘘ではないが、世界中で結論が割れていて結論がでていない
・日本人の場合は、デブ菌がいたほうが内臓脂肪が少ないという研究結果もある
・痩せ菌やデブ菌にこだわりすぎず、腸内環境の多様性を高める暮らし方をする方が大事

「デブ菌」「」というキャッチーな言葉がうけて、一気に知れ渡った「痩せ菌ダイエット」。

ダイエット雑誌やメディアでは、「痩せ菌を増やそう」「デブ菌撃退!」というキャッチコピーが並び、言葉だけは多くの方に知られるようになりました。

でも、謎に包まれた腸内細菌の実態に関して正確な説明をするのは難しく、

困った人
本当に存在する菌なの?それともファンタジーの世界のハナシ?胡散臭いなぁ…

などと混乱している人も多いようです。

そこで今回は、デブ菌・痩せ菌ダイエットは嘘なのかを徹底解説!

肥満度やBMIと腸内細菌叢の関係をなるべくわかりやすく整理してみたいと思います。

長谷川ろみ
この記事を書いた人:腸活研究家 長谷川ろみ 詳しくはこちら

結論!「正直まだわかっていない」が正確な答え

最初に結論から言うと、デブ菌・痩せ菌ダイエットが嘘か、真実かはまだ正確にわかっていません。

困った人
なんだぁ…。わかってないのか。
長谷川ろみ
残念ながらそうなんです。腸内細菌や腸内環境についての研究は、正直まだ始まったばかり。世界中の研究者が絶賛研究中の分野で、「絶対にこれが答え!」というわかりやすい正解を言う人がいたら、ちょっと疑っちゃうぐらい、とても新しい分野の研究なんです。

特に最近は、腸内細菌叢の特徴が国や性別によっても大きく違うこともわかってきました。

そうなるとあたりまえですが、肥満度と腸内細菌叢の関係に関しても全く違う答えが出てきて、新しい研究が進めば進むほど、毎回結論が違うという状態が続いています。

また、わかりやすくするために作られた「デブ菌・」という言葉の定義にも問題が。

範囲が広すぎるがゆえに研究の結果が一定しない可能性もあり、最近は「デブ菌の中の●●菌」、「痩せ菌の中の●●菌」が主役のより細かい研究が増えてきた印象があります。

長谷川ろみ
研究が細かくなってきてるということは、ポジティブに考えれば、少しずつ正確にわかってきているということなので、うれしいことでもありますね。

腸内細菌叢がわたしたちの心や体の状態を決める重要な要素であることや、腸内細菌叢の多様性が健康に近づく要因のひとつであることは間違いないというのが、現在の一般的な見解。

ただし、一歩進んで、肥満と腸内細菌にどんな関係があるかという話になると、「あの国ではこれが答え」「男性の場合はこれが答え」「男性でかつこの国ならまた違う答え」などなど、毎回研究の結果が割れてしまうのが、現在のほんとのところです。

デブ菌・痩せ菌って結局なに?

デブ菌・痩せ菌という考え方が一般的になったのは、2006年。

総合科学雑誌「nature」に報告されたアメリカのワシントン大学の研究(※1)がはじまりでした。

デブ菌と痩せ菌の歴史

アメリカのワシントン大学のジェフリー・ゴードン博士らが行ったマウス研究で、無菌のマウスに太った人の腸内細菌を移植したところ、そのマウスが肥満化したという内容です。

➀無菌のマウスに肥満のヒトの腸内細菌を移植
➁マウスが肥満化

これによって、腸内細菌叢が私たちの体を瘦せさせたり、太らせる力がある可能性があることが注目されました。

痩せ菌とデブ菌の正体と「F/B比」

腸内細菌はその99%が4つの種類にわけることができます。

➀Firmicutes(ファーミキューテス)
➁Bacteroidetes(バクテロイデーテス)
➂Proteobacteria(プロテオバクテリア)
➃Actinobacteria(アクチノバクテリア)

ジェフリー・ゴードン博士らはこのうち、Firmicutes(ファーミキューテス)とBacteroidetes(バクテロイデーテス)の2つの種類の腸内細菌に注目し、肥満との関係を調査しました。

そこで分かったのは、Firmicutes(ファーミキューテス)は肥満の人に比較的多く、Bacteroidetes(バクテロイデーテス)は痩せている人に比較的多いということ。

➀Firmicutes(ファーミキューテス):肥満の人に多い菌=デブ菌
➁Bacteroidetes(バクテロイデーテス):痩せている人に多い菌=

これが、痩せ菌ダイエットの根本的な痩せ菌とデブ菌の正体です。

この時、一緒に作られたのがFirmicutes(ファーミキューテス)とBacteroidetes(バクテロイデーテス)の割合を示す指標である、F/B比です。

F/B比
=Firmicutes(ファーミキューテス)/Bacteroidetes(バクテロイデーテス)
=数値が大きいほうが、肥満になりやすい
長谷川ろみ
当時はもちろんスゴイ発見でしたし、もちろんそこに嘘はありません。でも、ヒトの腸内細菌は100兆、約1000種類もいるのに、4つにしか分類してないんです。もうちょっと分けないとわからないこともいっぱいありそうですよね…。

痩せ菌ダイエットとは?

2006年のアメリカのワシントン大学の研究がもとになり、世界中で痩せ菌とデブ菌の研究がされるようになりましたが、実際のところその研究結果は割れています。

2006年のワシントン大学と同じような結果がでることもあれば、逆の結果がでることもありました。

同じアメリカでも2014年のオレゴン州立大学の研究だと、2006年のワシントン大学の研究とは全く逆の結論(※2)が出ていますが、2017年のウクライナの研究(※3)では、2006年と似た結果がでています。

長谷川ろみ
だれかが嘘をついているわけではなく、単純にわかってないだけ…腸内細菌叢って複雑だなぁ。

科学的な研究が進む中で、一般社会では「痩せ菌ダイエット」のようなキャッチーな言葉が生まれるようになりました。

でも、正直どうしたら痩せ菌=Bacteroidetes(バクテロイデーテス)が増えるかは正確にはわかっていません。

それどころか、人間の健康にとって、いろんな菌がいることが大事(=菌の多様性)なのに、=Bacteroidetes(バクテロイデーテス)だけを増やしちゃってもいいのかという根本的な問題も。

長谷川ろみ
メディアなどでは、「痩せ菌ダイエット」というキャッチーな言葉を使いつつも、その中身を読むと「腸内環境を整えましょう」「バランスよく食べて多様性を高めましょう」のような少しあいまいな内容になっちゃうことが多いんですよね。それが胡散臭いと思われちゃう理由なのかも…

「痩せ菌サプリをとればいい」ではない

ここまでお話すれば「痩せ菌サプリをとればいい」という、単純な話ではないことがわかってくると思います。

もちろんそれも腸活のひとつかもしれませんが、今のところ科学的にわかっているのは、腸内細菌の多様性が大事であり、アンバランスが悪だということ。

バランスよく食べる
適度に運動する
適度に睡眠をとる
好き嫌いをしない
体に合わないものを食べない
加工食品を食べ過ぎない
ストレスをためない
体を冷やさない など
長谷川ろみ
こうやって書き出してみると、「極端なことをしない」っていうかなり保守的なこと=腸活になっちゃうなぁ…。

糖質や脂質をとりすぎて、タンパク質や食物繊維が不足するのは、現代人なら多くの方に該当します。運動や睡眠時間が短くなって、ストレスが多くなりがちなのも現代人の共通の悩みと言えるでしょう。

そうなるとやるべきことが見えてきます。

暮らし方を整えること自体が腸内環境を整えることに直結するのです。

長谷川ろみ
痩せ菌サプリだけとって、よし腸活したぞってなるのは、満足感がある分ちょっと危険ですよね。

痩せ菌ダイエットは日本人には意味がない

もう一つ注目されているのが、痩せ菌ダイエットは日本人には意味がないという報告です。

2006年に作られたFirmicutes(ファーミキューテス)とBacteroidetes(バクテロイデーテス)の割合を示すF/B比と日本人のBMIは比例しないことが日本消化器病学会の機関誌『Journal of Gastroenterology』で報告されたのです。

BMI(Body Mass Index)
=ボディマス指数
=体重kg÷(身長m)2
=体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数
【日本肥満学会の判定基準】
18.5未満:低体重(痩せ型) 
18.5〜25未満:普通体重
25〜30未満:肥満(1度)
30〜35未満:肥満(2度)
35〜40未満:肥満(3度)
40以上:肥満(4度)
長谷川ろみ
うーん。ますます混乱…。日本人の腸内細菌叢って、世界でもかなり珍しいことも同時にわかってきているんです。

結局「」はダレ?という根本的な問題

困った人
そもそも「」とか「デブ菌」の範囲が広すぎる問題もありそう…。
長谷川ろみ
そうなの。最近の日本国内の研究では、デブ菌に分類されるブラウティア菌が多いと内臓脂肪の面積が少ないという研究も報告されているんです。

日本ではデブ菌いるほうが内臓脂肪面積が少ない

2019年に行われた弘前大学や東京大学などの研究グループの報告によると、デブ菌の一種であるブラウティア菌が多い人ほど、内臓脂肪面積が少ないことがわかりました。(※4、5)

長谷川ろみ
1001名から得られたデータなので、そこそこ大きい研究です。

デブ菌が内臓脂肪を減らす可能性があると考えると、そもそもデブ菌・痩せ菌という定義自体を考え直さないといけないような気もしてきますね。

内臓脂肪面積とブラウティア菌存在比の関係性

このブラウティア菌は、日本人の腸内細菌叢に比較的多い菌であることもわかっています。

F/B比とBMIは男性の場合は関係がない

同じ研究で、日本人の男性の場合、F/B比とBMIが関係がないという結果も出ています。

一方で女性に関しては、F/B比とBMIに関連があることもわかりました。

男性女性
BMIとの関係有意な関係なし肥満でない人ほどファーミキューテス門が少ない
内臓脂肪との関係内臓脂肪面積が小さい人ほどファーミキューテス門が多い傾向内臓脂肪面積が小さい人ほどファーミキューテス門が少ない傾向

引用:(※5)内臓脂肪と腸内細菌の関係についての研究:内臓脂肪面積が小さい人はブラウティア(Blautia)菌が多いことを発見 
https://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2019/20191028-001/

長谷川ろみ
もう…めちゃくちゃだぁ…結局まだまだ分かっていないことは多そうです。

日本ではそもそも「」という言葉の意味が変わってきている?

そもそも「」という言葉を使った時に、Bacteroidetes(バクテロイデーテス)を想像しながら使っている人もそこまで多くないかもしれません。

=善玉菌という意味で使っている人もいれば、痩せ菌のうちのひとつの菌(例:アッカーマンシア菌など)を指す場合もあります。

\アッカーマンシア菌が気になったらこちらの記事もみてね(*´▽`*)/

もう少し研究が進んで、わかっていることが多くなれば、この定義も整理されていくのかもしれませんね。

まとめ:デブ菌・痩せ菌ダイエットは嘘?!

デブ菌・痩せ菌ダイエットは嘘というわけではありませんが、「正直まだわかっていない」が正確な現時点での答えです。

2006年のアメリカのワシントン大学の研究がもとになり、世界中で痩せ菌とデブ菌の研究がされるようになりましたが、実際のところその研究結果は割れています。

特に日本では、デブ菌と痩せ菌の割合と肥満度の関連があまりないことも報告されていて、もう少し深い研究が必要だと思われます。

一方でわかっていることもあります。

腸内細菌叢の多様性が高いほうが、健康的な体と心を保ちやすいこと。

Firmicutes(ファーミキューテス)とBacteroidetes(バクテロイデーテス)の割合にこだわりすぎることなく、日々の暮らし方を自分が心地よいものに少しずつ調整し、自分の体を観察し続け、心地よい食べ物や環境を探すことが腸活の近道だと思います。

参考にしてみてくださいね。

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参考文献

(※1)Microbial ecology: human gut microbes associated with obesity
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17183309/
(※2)A Taxonomic Signature of Obesity in the Microbiome? Getting to the Guts of the Matter
https://www.researchgate.net/publication/259701561_A_Taxonomic_Signature_of_Obesity_in_the_Microbiome_Getting_to_the_Guts_of_the_Matter
(※3)Association between body mass index and Firmicutes/Bacteroidetes ratio in an adult Ukrainian population
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5440985/
(※4)Blautia genus associated with visceral fat accumulation in adults 20-76 years of age
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31602309/
(※5)内臓脂肪と腸内細菌の関係についての研究:内臓脂肪面積が小さい人はブラウティア(Blautia)菌が多いことを発見
https://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2019/20191028-001/
\腸活食材オートミールが気になる方はこちらの記事もみてね(*´▽`*)/