馬乳酒はどんな味?まずい?日本のカルピスの起源になったモンゴルのクムスの作り方・栄養・効果効能

クムスが気になる人
【この記事で解決できるお悩み】
モンゴル・キルギスに住む遊牧民の定番の発酵飲料「馬乳酒(クムス)」ってどんな味?日本のカルピスの起源になったってほんと?

今回は、こんな疑問にお答えします。

本記事の結論
・馬乳酒は、馬の生乳を乳酸菌と酵母で発酵させた乳酸菌飲料
・アルコール度数が1~3%で、微炭酸
・酸味が強烈で、がぶがぶは飲めない

カザフスタン共和国やキルギスの遊牧民が夏になると必ず飲むと言われている、「馬乳酒(クムス)」。

馬の乳を発酵させたもので、雌の馬が仔馬に授乳する夏の時期にしか作ることができない貴重な飲み物です。

そしてこの「馬乳酒(クムス)」は日本人の発酵文化にも深い関係が。

そこで今回は、馬乳酒「クムス」を徹底解説!

気になる味や作り方はもちろん、栄養・効果効能や日本の人気発酵飲料との関係も整理してみました。

長谷川ろみ
この記事を書いた人:腸活研究家 長谷川ろみ 詳しくはこちら
発酵食品にハマり、ダイエットなしで12㎏減。痩せたことをきっかけに腸を愛でる生活に目覚める。重度の便秘から解放され、腸活研究家として活動開始。今では発酵ライフ推進協会通信校校長を務め、昔の自分と同じ悩みを持つ方に向けて腸や菌のおもしろさを発信中。

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目次

馬乳酒(クムス)とは?

馬乳酒(クムス)は、その名のとおり馬の生乳を乳酸菌と酵母で発酵させた乳酸菌飲料のことを言います。

馬乳酒(クムス)
=馬の生乳を乳酸菌と酵母で発酵させた乳酸菌飲料(アルコール含)


長谷川ろみ
酵母が発酵の過程でアルコールを作るので、微量ではありますがアルコールも含まれています。日本でいうところの「どぶろく」のように自然の中で自由に発酵させて作る発酵飲料です。

主な特徴は以下の3つです。

特徴➀ キルギスに住む遊牧民の栄養補給源
特徴➁ 夏の間のみ市場で売られる限定品
特徴➂ 日本のカルピスの起源

一つずつ見ていきましょう。

特徴➀ カザフスタン共和国やキルギスに住む遊牧民の栄養補給源

カザフスタン共和国やキルギスの馬乳酒「クムス」は、夏のモンゴル遊牧民の定番ドリンクです。

遊牧民は、馬乳酒「クムス」を1日に約0.5~1.5リットルを飲むと言われています。

長谷川ろみ
約0.5~1.5リットルって…わたしたち日本人が飲む水と同じくらいですね。発酵していて味も濃いのにスゴイ!さすがにお水が飲みたくならないのかなぁ…。

遊牧民の食生活は肉食中心で野菜不足になりやすいと言われています。

そこで、彼らの偏りがちな食事をサポートするのが、馬乳酒「クムス」なのです。

カザフスタン共和国やキルギスの馬乳酒「クムス」は、ビタミンやミネラルなどの野菜に含まれる栄養素が豊富で、遊牧民の貴重なビタミン&ミネラル源になっています。

特に多いと言われるのがビタミンCです。

なんと馬乳酒「クムス」に含まれるビタミンCは牛乳の約10倍!

長谷川ろみ
モンゴルの馬乳酒の「アイラグ」や中国内蒙古自治区の馬乳酒「チゲー」も牛乳よりはビタミンCが多いですが、さらにカザフスタン共和国やキルギスの馬乳酒「クムス」はすごいんです。
牧場のクムス 食料品店のクムス アイラグ チゲー 牛乳
脂肪 1.4 1 1.1 1.8 3.8
タンパク質 1.9 1.5 3.6 2.9 3.3
ビタミンC 9.96 5.3 1.8 5.8 1.0

引用:カザフスタン共和国における伝統的祝祭ノウルーズと伝統飲料クムスに関する研究

アイラグ
=モンゴルの馬乳酒

チゲー
=中国内蒙古自治区の馬乳酒
クムス
=カザフスタン共和国やキルギスの馬乳酒

野菜に多く含まれるビタミンの中でも、水溶性ビタミンの一種であるビタミンCは、すぐに体の外に流れ出てしまいます。

水溶性ビタミン
=血液などの体液に溶け込んでいる
=余分なものは尿として排出されるため、常に不足しがち
脂溶性ビタミン
=脂肪組織や肝臓に貯蔵されている
=貯蔵できるので、不足しにくい
長谷川ろみ
ビタミンCは水溶性ビタミンなので、定期的に摂らないとどんどん排泄されてしまいます。クムスみたいに飲み物で少しずつ摂取できるのは、とても便利ですよね。

特徴➁ 夏の間のみ市場で売られる限定品

馬乳酒「クムス」は、早春に出産をした雌の馬からのみとることができる乳なので、夏の時期にしか出回りません。

1回の乳しぼりで1ℓ程度しか絞れないので、かなりの貴重品です。

長谷川ろみ
日本でも江戸時代に甘酒を夏の風物詩&栄養補給源(特にビタミンB群)として飲んでいた時代があります。馬乳酒「クムス」と日本の甘酒には、共通点が多いですね。

特徴➂ 日本のカルピスの起源

馬乳酒「クムス」は、実は日本の発酵文化とも深い関わりがあります。

実は馬乳酒「クムス」は、日本で大人気の定番発酵飲料のカルピスの元祖だと言われているのです。

カルピス株式会社の創業者の三島海雲氏は、当時僧侶をしていました。

仕事でモンゴルに渡り、馬乳酒「クムス」に出会い、飲み続けるうちにどんどん顔色が良くなり、疲れがとれ、胃腸の調子が良くなっていくことに気がつきました。

帰国後、馬乳酒「クムス」の存在が忘れられず、同じ乳酸菌飲料のカルピスを作ったのです。

長谷川ろみ
馬乳酒「クムス」の腸内環境改善効果は目を見張るものがあり、キルギスに住む遊牧民など地元の人でさえ、おなかがゴロゴロしたり、急にトイレに行きたくなることがあるそうです。慣れていない外国人の三島氏がびっくりしても当然です。

長谷川ろみ
三島海雲氏が馬乳酒「クムス」に出会ってなかったら、日本の夏の風物詩のひとつであるカルピスも生まれていなかったかも…

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馬乳酒(クムス)の作り方

馬乳酒(クムス)が完成するまでには、大きくわけて2つのステップを踏みます。

作り方➀ 搾乳
作り方➁ 発酵

一つずつ見ていきましょう。

作り方➀ 搾乳

馬乳酒(クムス)はまず、早春に出産をした若い雌の馬の乳を搾ることからはじまります。

1回の乳しぼりで1リットル程度しかしぼることができないので、馬乳は貴重品です。

実際にカザフスタン共和国の馬乳酒(クムス)に関連するフィールドワークを行った早稲田大学の岩垣氏の資料(※3)によると、搾乳は1日平均5~6回も行われるとのこと。

➀1日に平均5~6回搾乳する
➁2時間ごとに搾乳する(8時/10時/12時/14時/16時)
長谷川ろみ
発酵させる前の馬の乳は酸味も少なく、とても甘いそうです。牛乳とそんなに変わらず、似ているらしいよ。

作り方➁ 発酵

貴重なしぼりたての馬乳に、以前発酵させた古い馬乳酒(クムス)を混ぜて、スターターにします。

以前発酵させた古い馬乳酒(クムス)には、すでにたくさんの菌が住み着いているので、酸味が強いのだとか。

長谷川ろみ
ヨーグルトを牛乳に混ぜるだけで、ヨーグルトの中の乳酸菌が発酵・増殖してヨーグルトの量を増やすことができるけど、馬乳酒(クムス)も同じ作り方なんですね。
➀しぼりたての馬乳に発酵させた古い馬乳酒(クムス)を混ぜる
➁2~3時間、かき混ぜ続ける
➂一晩寝かせたら完成

1晩で飲むことができるようになるのは、やはり甘酒に似ています。

馬乳酒(クムス)は完成後もどんどん発酵が進み、発酵が進めば進むほど、酸味が強くなります。

長谷川ろみ
地元の人達も酸っぱすぎる7~8月の馬乳酒(クムス)より、比較的若い5~6月の馬乳酒(クムス)の味のほうが好きみたい!

カザフスタン共和国のフィールドワーク研究資料(※3)によると、7~8月の馬乳酒(クムス)を飲み続けるのが困難な理由が書かれていました。

乳酸菌が増えすぎた7~8月の馬乳酒(クムス)は、飲用するとすぐに腸に効き始めお腹がゴロゴロ鳴り出し、排便が促される。したがって、毎日大量のクムスを飲み続けることは困難

引用:中央アジアの馬乳酒クムスが作り出す文化 ~カザフスタン共和国を事例として~
http://www.cdij.org/shikohin/forum/data_12/resume_iwagaki.pdf


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馬乳酒(クムス)の味

モンゴルの遊牧民の中には、夏の間は食事を摂らず、馬乳酒(クムス)を食事の代わりにすることがあることも報告されるほど、生活に密着している馬乳酒(クムス)。

子どもから大人まで、誰もが必ず飲む文化がある地域もあるようですが、一体どんな味なのでしょうか?

特徴➀ アルコール度数:1~3%(微炭酸)
特徴➁ 酸味が強烈:PH3.5

一つずつ見ていきましょう。

特徴➀ アルコール度数:1~3%(微炭酸)

馬乳酒(クムス)には、微量ですがアルコールが含まれています。そのアルコール度数は、約1~3%です。

これは発酵の過程で酵母菌を使っているから。

酵母菌は、ビールや日本酒を作るときに大活躍する菌のひとつです。

アルコール度数は、馬乳酒(クムス)を発酵する過程によるので、作る地域や方法によって異なりますが、大体1~3%で、軽い発泡性を感じられるのが一般的なようです。

長谷川ろみ

サントリーチューハイ「ほろよい」のアルコール度数は3%!馬乳酒(クムス)は、「ほろよい」ぐらいのアルコール度数だと思っておくといいかも…。でもキルギスでは子どもも馬乳酒(クムス)を飲みます。笑

特徴➁ 酸味が強烈:PH3.5

馬乳酒(クムス)は、酸味が強く、PH3.5であると言われています。

ヒトの口の中は大体PH7程度だと言われているので、PH3.5ははっきり酸味を感じるレベルです。

愛知三の丸クリニックが発表している酸性度に関する資料(※4)によると、市販の清涼飲料水やアルコールの酸性度は以下のとおりです。

いろはす:PH6.9
午後の紅茶(ミルクティ):PH6.8
午後の紅茶(ダージリン):PH5.5
ウィルキンソン炭酸水:PH4.1
トロピカーナ(オレンジ):PH3.7
馬乳酒(クムス):PH3.5
カルピスウォーター:PH3.4
トロピカーナ(グレープフルーツ):PH3.2
コカ・コーラ:PH2.2
長谷川ろみ
こうやって見てみると、オレンジジュースより酸っぱい乳製品って結構すごいかも?また、馬乳酒(クムス)は発酵が進めば進むほど酸味が強くなるので、もっと酸性度が上がっていく可能性もあります。

長谷川ろみ
一般的には砂糖や塩などは入れないでそのまま飲むとのこと。清涼飲料水はお砂糖が入っているから酸味もごまかせるけど、お砂糖なしでこの酸性度は…さすがに酸っぱいだろうなぁ…。

\乳酸菌を効率的に摂りたい方はこちらの記事もみてね(*´▽`*)/


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馬乳酒(クムス)はどこで買える?

馬乳酒(クムス)は、夏の間であれば、町のいろんな場所でかんたんに買うことが可能です。

長谷川ろみ
道端でもペットボトルに詰めて売られてるんだって!すごいなぁ…ますます発酵が進んで酸っぱくなっちゃいそう…笑


\発酵を体系的に学びたくなったらこちらの記事もみてね(*´▽`*)/

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まとめ:馬乳酒はどんな味?日本のカルピスの起源

馬乳酒(クムス)は、その名のとおり馬の生乳を乳酸菌と酵母で発酵させた乳酸菌飲料のことを言います。

馬乳酒(クムス)
=馬の生乳を乳酸菌と酵母で発酵させた乳酸菌飲料(アルコール含)

その味の特徴は以下のとおり。

特徴➀ アルコール度数:1~3%(微炭酸)
特徴➁ 酸味が強烈:PH3.5

アルコール度数は日本のお酒でいうと「ほろよい」程度、酸味は「オレンジジュース」程度ですが、お砂糖を入れていない分、かなり強い酸味を感じるようです。

実際に飲んだことがある日本人は、「馬乳酒(クムス)はまずい」「馬乳酒(クムス)は苦手」という方も多いことがわかりました。

もしモンゴル・キルギスに行く機会があったら、絶対に飲んでみたい!

しかし、やっぱりわたしたちは日本人。

毎日習慣的に飲んで、美容や健康のサポートに使いたいなら甘酒のほうが口に合い、毎日飲んでもストレスにならなそうです。

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長谷川ろみ
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参考文献

(※1)キルギス共和国政府観光局
http://kyrgyzstan.co.jp/food/
(※2)カザフスタン共和国における伝統的祝祭ノウルーズと伝統飲料クムスに関する研究
https://core.ac.uk/download/pdf/144452522.pdf
(※3)中央アジアの馬乳酒クムスが作り出す文化 ~カザフスタン共和国を事例として~
http://www.cdij.org/shikohin/forum/data_12/resume_iwagaki.pdf
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