株式会社明治さんのロングセラー商品「明治ブルガリアヨーグルト」。
1970年開催の大阪万博に出展された「ブルガリア館」で、本場のブルガリア産ヨーグルトを試食した明治乳業の幹部の方々が、ヨーグルトのおいしさに感動し、開発がすすめられたと言われています。
それまで日本で作られていたヨーグルトは、乳酸菌は使わず、凝固剤で固めるなどのゼリー加工で作られていたんだって。笑
そんなキッカケも手伝って「明治ブルガリアヨーグルト」に使われている乳酸菌は、「LB81」というブルガリアにゆかりが深い特徴的な菌なんです。
今回は、LB81乳酸菌の特徴や期待される効果などをまとめてみました。
目次
LB81乳酸菌とは?
まずは一般的に「LB81乳酸菌」と言われる菌が、どんな菌なのか確認してみましょう。
特徴1:2つの乳酸菌からできている
「明治ブルガリアヨーグルト」のパッケージに使われている「LB81」という名称は、実は1つの菌を表しているわけではないんです。
なんと2つの種類の違う菌が使用されています。
その菌の正体は以下の2つ。
サーモフィラス菌1131株 (ストレプトコッカス・サーモフィラス:球菌)
この「ブルガリア菌2038株」の末尾の数字「8」と、「サーモフィラス菌1131株」の末尾の数字「1」を組み合わせて「81」として、乳酸菌という意味の英語「Lactic Acid Bacteria(ラクティックアシッドバクテリア)」の頭文字である「LB」にくっつけたんだって。
=LB81
となったわけですね。おもしろい!笑
特徴2:ミズキ科の木に自生!植物性乳酸菌
ブルガリア菌2038株とサーモフィラス菌1131株は、両方とも乳酸菌の一種です。
もともとはブルガリアのミズキ科の木に自生している菌種で、ブルガリアでは伝統的なヨーグルトを作る際に使っている菌です。
ミズキ科の植物といえば、日本では有名な歌にもある「ハナミズキ」が有名ですね。
あのキレイなお花に自生している菌と考えると、ブルガリア菌2038株もサーモフィラス菌1131株も、なんかおしゃれで上品な乳酸菌に思えてくるから不思議です。笑
ブルガリア菌2038株もサーモフィラス菌1131株も、植物に自生する植物性乳酸菌なので比較的過酷な環境にも耐えられることが創造できます。
特徴3:酸素がなくても大丈夫!通性嫌気性菌
2つとも酸素がなくても生育、増殖できる「通性嫌気性菌」の菌に分類されます。
ということはどういうことかというと、脱酸素処理して活性を高めることができるので、ヨーグルトをじっくりと発酵させることができるのだそう。「通性嫌気性菌」だからできる特徴ですね。
参考:明治ブルガリアヨーグルトクラブのWEBサイトより
https://www.meijibulgariayogurt.com/health/
明治ブルガリアヨーグルトの研究者の方が、ブルガリア菌2038株とサーモフィラス菌1131株の特徴をよく観察し、研究を重ねてきた努力のたまものですね。
特徴4:2種の菌のチームワークがスゴイ
もう一つ驚くべきことが、ブルガリア菌2038株とサーモフィラス菌1131株の相性です。どっちか1つだけよりも、短時間でおいしいヨーグルトが作れることがわかっています。
サーモフィラス菌1131株は、とにかく生育がとても速いのだそう。乳の中に含まれているわずかなアミノ酸をえさに増殖することができます。そして発酵の過程で、ブルガリア菌2038株の大好物である「蟻酸(ぎさん)」を作ってくれます。
この蟻酸をえさにブルガリア菌2038株が増えると同時に、またアミノ酸を作るので、サーモフィラス菌1131株も増えるという流れ。
▼ブルガリア菌2038株とサーモフィラス菌1131株のチームワーク図解
ブルガリア菌2038株とサーモフィラス菌1131株は、こんな風に永遠と増殖を繰り返すことができる黄金コンビなんです。
美味しいヨーグルトができるはずですよね。わたしも、こんなパートナーがほしいです。笑
LB81乳酸菌の効果
そんな強くてたくましい乳酸菌である、LB81乳酸菌。人間が食べたときには、どんな効果が期待できるのでしょうか?
明治ブルガリアヨーグルトの特設サイトには、こんな説明が!!
参考:明治ブルガリアヨーグルトクラブのWEBサイトより
https://www.meijibulgariayogurt.com/health/
整腸作用押しですね!それも特定保健用食品とのこと。具体的にはどんな研究結果があるのか、まとめてみたいと思います。
効果1:便秘改善効果
排便が週4回以下の慢性便秘の女性を対象に、LB81を使用したヨーグルト摂取してもらう実験をおこなったところ便秘が改善されたという結果が出ています。
摂取物:LB81を使用したヨーグルト
摂取量:1日2回、120mlずつ4週間摂取
排便が週4回以下の結構な慢性便秘の方は、LB81を使用したヨーグルトにトライしてみるのもありかもしれません。でも、たくさん食べればいいというわけではなく、100g~120g/1日がよさそうですよ。
参考:明治ヨーグルトライブラリーより
https://www.meiji.co.jp/yogurtlibrary/laboratory/report/lb81/02/
効果2:美肌効果
もう一つLB81を使用したヨーグルトの効果として有名なのが、美肌効果です。
便秘や腸内環境の改善と肌には大きな関連があると言われていますが、特に皮膚の弾力性や乾燥などにお悩みの方にとっては、LB81株を含むヨーグルトの効果が期待できるかもしれません。
効果3:免疫力アップ効果
LB81乳酸菌は、腸管粘膜を病原菌や消化液などから守る「腸管バリア」の機能を高めることがわかってきています。加齢・食生活の乱れ・ストレスや過労などによって腸管バリアの機能が低下すると、腸上皮細胞に感染や炎症、生涯を引き起こしやすい状態になり、腸が老化します。
それが病気や老化の原因になるのですが、LB81乳酸菌は、腸管バリアの中でも、特に重要と考えられる「抗菌ペプチド」という成分を増やすことができると言われています。
以前こんな記事も書いてみたので、気になる方は読んでみてね。
あわせて読みたい
▼抗菌ペプチドを増やすには?腸内環境を改善するってほんと?
https://www.chounaikankyou.club/article/koukinpepchido.html
まとめ
LB81乳酸菌は、「LB81乳酸菌」という1つの菌がいるわけではなく、名コンビのブルガリア菌2038株とサーモフィラス菌1131株をまとめて呼ぶ、明治さんが考えた商品名でした。
ブルガリア菌2038株とサーモフィラス菌1131株は、酸素がなくても発酵できる植物性の乳酸菌で、本国ブルガリアではヨーグルトを作る際に昔から使われてきた菌です。
このLB81乳酸菌のおかげで、LB81乳酸菌を使ったヨーグルトはまろやかなおいしさが作られています。
そしておいしいだけでなく、1日100g程度とれば、排便回数や排便量が増えることが期待でき、またそれによって乾燥肌や肌のはりをアップすることもできるかもしれません。
でも一番気になるのは、やっぱり腸の老化を止めてくれるかもしれない「抗菌ペプチド」を増やすことができるかもしれないということ。病気や老化を防ぐためにも腸を元気に保つために役立ちそうなLB81乳酸菌ヨーグルトは注目です!
気になる方は1日100g程度のLB81乳酸菌ヨーグルトを試してみてはいかがでしょうか?