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長谷川ろみ
編集長:長谷川ろみ麹のちから推進委員会代表。元おデブの腸活研究家。腸内細菌に救われたことをきっかけに、日本の発酵文化や腸の大切さを伝えるためのコト・モノ・しくみづくりに挑戦中。詳細はこちら>

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梅干しは発酵食品じゃないってホント?メカニズムと市販の梅干しの選び方2つのコツ

梅干しは発酵食品じゃない
困った人
梅干しは発酵食品じゃないってホント?発酵してないのになんで健康にイイって言われるんだろう?

今回は、こんな疑問にお答えします。

本記事の結論
・梅干しは発酵食品じゃないが、健康食品のひとつである
・梅干しに含まれるクエン酸は、疲労回復や腸内環境の改善に役立つが、選び方次第で悪影響も?!
・市販の「調味梅干し」や「減塩梅干し」が必ずしもベストとは限らない

発酵イベントを主催していると、参加者の方から「梅干しは、発酵食品だと思っていました」とよく言われます。

たしかに梅干しは、塩をつかったお漬物のひとつ。発酵食品である、ぬか漬けやキムチと似ているようにもみえます。

でも、本当に梅干しはぬか漬けやキムチの仲間なのでしょうか?

そこで今回は、梅干しは発酵食品なのか、それとも発酵食品でないのかを大解説!

梅干しのメカニズムをていねいに整理しながら、梅干しの選び方のコツをまとめてみました。

長谷川ろみ
この記事を書いた人:腸活研究家 長谷川ろみ詳しくはこちら

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目次

結論!梅干しは発酵食品じゃない

結論からいうと、梅干しは発酵食品ではありません。

でも、ややこしいのには理由があります。

梅干しは、熟成していますが、発酵はしていないからです。

長谷川ろみ
そもそも熟成と発酵の違いが難しいもんね。

\梅が便秘解消に役立つって知ってた?!具体的な方法はこの記事からどうぞ(*´▽`*)/

発酵と熟成の違い

発酵と熟成の違いは、微生物か関わっているかどうかです。

発酵=微生物の働きによって、物質が分解されること
熟成=寝かせておくことで、風味や品質が向上すること

発酵している時は、そこに必ず微生物がいます。しかし、熟成の場合は、微生物はいません。

梅干しは、通常、洗う→塩漬け→熟成→天日干しという工程を経て作られます。

通常はこのうちのどの工程にも微生物は存在しません。

梅を洗う

洗った梅を塩漬けにする(←微生物はいない)

塩漬けにした梅をそのまま熟成させる(←微生物はいない)

熟成させた梅を太陽の下で天日干しする(←微生物はいない)

もちろん梅は自然界にあるものなので、最初は乳酸菌などの菌がついています。

長谷川ろみ
乳酸菌はどこにでもいる菌なので、普通に空気中にふよふよしてるよ。

しかし、自然界にいる菌たちは塩分がニガテなので、塩漬けにした時点で減ってしまうのが普通です。そしてその後、ほかの発酵食品のように、乳酸菌や酵母菌を添加することはありません。

長谷川ろみ
「漬物」というくくりで考えると、なんとなく梅干しも発酵しているように感じるかもしれません。でも、梅干しは微生物とのかかわりはなく、昔ながらの梅干しの場合は梅と塩だけで作られるの。

発酵漬物と未発酵漬物の違い

日本でよく食べられるお漬物には、以下の3種類があります。

➀発酵漬物
=微生物が作っている漬物
=例:ザワークラウト、キムチ、ぬか漬け、すぐき漬け(京都)、すんき漬け(長野)など
➁発酵食品を使って作る漬物
=すでに微生物が作った発酵調味料に漬けてつくる漬物
=例:麹漬け、みそ漬け、酢漬けなど
➂微生物とは無関係の漬物
=作られる工程の中で、微生物が最初から最後まで関わっていない漬物
=例:梅干し、塩や調味液を使って作る加工漬物など

発酵漬物は、自然界にいる乳酸菌や酵母菌やその他の菌を添加して、菌が作る漬物のことを指します。

長谷川ろみ
逆に菌がいない場合は作ることができない漬物です。

一方、発酵漬物以外は発酵菌が全くいなくても作ることができる漬物です。

すでに発酵している塩麹や甘酒を使って作るのが麹漬け、味噌を使って作るのが味噌漬け、酢を使って作るのが酢漬けです。

そして全く微生物とのかかわりがなくても完成するのが、梅干しです。

長谷川ろみ
発酵菌が助けてくれなくてもすっぱくなったり(=酸味追加)、腐りにくくなったり(=保存性アップ)する梅干しはかなりレアな漬物なんです。

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どうして梅干しは発酵食品じゃないのに腐らないのか?

発酵食品は、昔の人が食料を保存するために生み出した食品です。

長谷川ろみ
梅干しって発酵してないのに、なんです腐らないんだろう?って思いません?そこには2つの秘密があるの。
腐らない秘密➀ クエン酸
腐らない秘密➁ 塩

一つずつ見ていきましょう。

腐らない秘密➀ クエン酸

梅干しに含まれるクエン酸には、殺菌作用があります。

長崎国際大学が報告した資料(※1)によると、梅干しに含まれているクエン酸をはじめとする有機酸には、黄色ブドウ球菌や大腸菌を抑制する作用があることがわかりました。

長谷川ろみ
梅干しが入ったお弁当は腐りにくいから、「夏のお弁当には梅干し入れよう」ってよく言うよね。腐敗菌や雑菌はいろんなところにいるから気をつけなきゃ。

腐らない秘密➁ 塩

梅干しに含まれる塩には、殺菌作用があります。

塩は昔から発酵食品を作る際に使われていますが、その理由は塩が腐敗菌を遠ざけるからです。

長谷川ろみ
味噌や醤油、お漬物などなど…発酵食品には必ず塩が入っているもんね。腐敗菌は、塩が持つ浸透圧で水分を吸い取られて死んでしまうので、塩がニガテなんです。

梅干しには、クエン酸と塩という防腐効果の強い成分が含まれているため、発酵食品の乳酸菌のバリアがなくても腐らないのです。


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発酵食品じゃないのに健康に良いと言われる理由

困った人
発酵食品は体にイイっていうから、梅干しもてっきり発酵食品なのかと思ってました!

長谷川ろみ
梅干しは発酵食品じゃないけど、健康的なイメージはありますよね~!

梅干しが発酵食品じゃないのに健康に良いと言われる理由は、2つあります。

理由➀ クエン酸が疲労回復につながる
理由➁ クエン酸が腸内環境を整える

一つずつ見ていきましょう。

理由➀ クエン酸が疲労回復につながる

梅干しが発酵食品じゃないのに健康に良いと言われる理由の1つ目は、クエン酸が疲労回復につながるからです。

梅干しのクエン酸は、細胞の中でエネルギー代謝を手伝ってくれる成分です。

そのため、進んで体内の老廃物を排泄したり、疲労の原因である乳酸を増やさないように調整してくれます。

長谷川ろみ
疲れた時は、すっぱいものを食べたくなりますよね。梅干しとかお酢のドリンクを準備しちゃうなぁ。

理由➁ クエン酸が腸内環境を整える

梅干しが発酵食品じゃないのに健康に良いと言われる理由の2つ目は、クエン酸が腸内環境を整えるからです。

梅に含まれるクエン酸をはじめとする有機酸は、胃腸に住む悪玉菌を減らし、善玉菌が住みやすい環境を作ってくれます。

また、梅はピロリ菌による胃炎を抑えるという研究結果(※2)もあります。

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健康に良い梅干しの選び方

梅干しは健康に良いと言われますが、すべての梅干しが等しく健康に良いわけではありません。

長谷川ろみ
梅干しに含まれるクエン酸の量は、「梅干し」と「調味梅干し」で全然違うんです。

ここからは、なるべく健康によいと言われるクエン酸がたくさん採れる梅干しの選び方をチェックしてみましょう。

選び方のポイントは2点です。

選び方➀ 市販の調味梅干しに注意
選び方➁ 市販の減塩梅干しに注意

一つずつ見ていきましょう。

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選び方➀ 市販の調味梅干しに注意

市販の梅干しには、大きく分けて3つの種類があります。

農林水産省の漬物に関する規格で3つのうちのどれかを表示することが義務付けられているので、裏に書かれた成分表を見ればわかります。

梅干し
=昔ながらの製法で、梅と食塩のみで作られている(食品添加物なし)
=塩抜き作業をしていないので、しょっぱい(塩分濃度20%前後)
調味梅干し
=塩抜きして調味液につけて作られる(食品添加物あり)
=塩抜き作業をしているので塩味がやわらかい(塩分濃度3~10%)
梅漬け
=食塩で漬けただけで干さない
=カリカリ梅などのカリカリした食感がある

このうち「梅干し」は、昔からの製法で作られています。健康によいと言われるクエン酸もたくさん含まれています。

食品添加物は含まれていませんが、塩分濃度は高めなので食べ過ぎには注意が必要です。

一方、「調味梅干し」は、塩分を減らすために一度塩抜きをし、塩を抜いてから味をつけていきます。

長谷川ろみ
味をつけるだけならいいんだけど、塩抜きのタイミングでクエン酸やビタミン、ミネラルなどの健康に良い成分も抜けてしまうんです…

「調味梅干し」は塩分濃度を減らすことができますが、同時にクエン酸やビタミンも減ってしまいます。減ってしまったクエン酸やビタミンなどの代わりに「砂糖」「酸味料」「クエン酸」「アミノ酸」などの食品添加物で味を整えるので、塩分濃度は低くなりますが、元々の栄養素は抜け落ちてしまいます。

また、殺菌作用が高いクエン酸が減るため、腐敗防止のための対策が必要になります。「調味梅干し」は「梅干し」に比べて「保存料」も多くなりがちです。

裏の成分表を見て、「調味梅干し」と書いてあったら、クエン酸の健康効果はあまり期待できない可能性が高くなります。

【調味梅干しによく入っているもの】
砂糖
果糖ぶどう液糖
トレハロース
その他糖類・甘味料
酸味料
調味料
アミノ酸
酒精
アルコール
アミノ酸
香料
長谷川ろみ
調味梅干しを選ぶなら、なるべく原材料がシンプルなものをおすすめします!ちょっと高級かもしれないけどやっぱりシンプルな「梅干し」がいちばんおすすめです。

選び方➁ 市販の減塩梅干しに注意

現代人が抱える慢性疾患のうち、比較的改善しやすいのが高血圧です。高血圧の人は、塩分をなるべくひかえるというのは、すでに常識でしょう。

梅干しがいくら体にいいからと言って、たくさん食べていたら高血圧を助長します。そのため梅干しも「減塩」を意識的に選ぶ人が多くても不思議ではありません。

しかし、ここが小さな落とし穴。

減塩梅干しは、塩抜きをした「調味梅干し」であることがほとんどです。

長谷川ろみ
こうなってくると、減塩梅干しがいいのか、普通の梅干しがいいのか、よくわからなくなってきますね。

もちろん塩分の過剰摂取はよくありませんが、食べ過ぎなければ梅干しのクエン酸は健康維持に役立ちます。

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まとめ~梅干しは発酵食品じゃないってホント?~

結論から言うと、梅干しは微生物が作ってくれる発酵食品ではありません。

しかし、発酵食品と同じように健康効果が期待される食品のひとつです。

梅干しが発酵食品じゃないのに健康に良いと言われる理由は、梅干しに含まれるクエン酸の存在です。

理由➀ クエン酸が疲労回復につながる
理由➁ クエン酸が腸内環境を整える

クエン酸が私たちの体を守り、腸内環境を整えてくれています。

最近は、塩分をなるべくとらないように気を付けている人が多いので、減塩梅干しを選びがちですが、本当に減塩梅干しのほうが健康によいのかどうかは難しいところです。

調味梅干し(減塩)
=塩分少なめ
=クエン酸やビタミン少なめ
梅干し
=塩分多め
=クエン酸やビタミン多め

梅干しを食べるときは、必ず裏の成分表を読んで、自分が食べている梅干しを理解することが必要です。そして、どんな梅干しでも食べ過ぎは良くありません。「クエン酸やビタミンたっぷりの昔ながらの梅干しをちょっとだけ食べる」のが、腸の健康のためには正解です。

梅干しは発酵食品じゃないけど健康食品です。酢などの発酵食品と組み合わせた梅酢を活用することによって、もっと利用しやすくなります。

発酵食品と組み合わせるテクニックを学んで、食事を見直したい方は、発酵ライフアドバイザー養成講座もおすすめです。資格者限定のコミュニティでは、発酵オタクたちの健康のヒントが得られるかも?!

参考にしてみてね。

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参考文献~梅干しは発酵食品じゃないってホント?~

(※1)梅干し中の有機酸及びアミグダリン関連物質の抗菌作用
https://cir.nii.ac.jp/crid/1050845763151733760

(※2)Inhibitory effects of Japanese apricot (Prunus mume Siebold et Zucc.; Ume) on Helicobacter pylori-related chronic gastritis
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20517325

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