
「酵素は意味ない」・・・そんなことが叫ばれ始めて数年。
NHK「あさイチ」という番組内で取り上げられた「酵素」がテーマの回でも、愛知学院大学の大澤俊彦教授が酵素をとる目的と、目的によっては「酵素は意味ない」ことを説明してくださいました。
今回は、「酵素は意味ない」説、そして「酵素は意味ある」説について、メカニズムを振り返りたいと思います。
「酵素」とは?
酵素は、動物や食物などの生物が物質を消化したり、吸収したり、代謝したりする工程で働く分子のことを指します。
ウィキペディアによると・・・酵素についてこのように説明されていました。
多くの酵素は生体内で作り出されるタンパク質を基にして構成されている。したがって、生体内での生成や分布の特性、熱や pH によって変性して活性を失う(失活)といった特性などは、他のタンパク質と同様である。
参考:ウィキペディア
「酵素」の種類
酵素にはいろいろな種類がありますが、よく耳にするのはこちらの3つです。
消化酵素と代謝酵素は人間の体の中にあるもの、そして食物酵素は、人間の体の外にあるものです。
消化に使われる酵素のこと。
▼代謝酵素
代謝に使われる酵素のこと。
▼食物酵素
食物酵素が持っている酵素のこと。
酵素と一言にいっても、どんな働きをするか、どんな環境を好むかはその酵素によります。消化酵素や代謝酵素、食物酵素というカテゴリーの中でもまた多くの種類の酵素が存在するんですね。
酸に強い酵素もいれば、弱い酵素もいる、熱に強い酵素もいれば、弱い酵素もいるなどなど・・・「酵素は〇〇だ!」と言いにくいのは、いろいろな種類があるからなのではないかと思います。
「酵素は意味ない」と言われる理由
「酵素は意味ない」という言葉、結構漠然としているんですよね。何を持って「意味がある」と言うのか、酵素を摂る理由がぼんやりしているので、酵素にたいする議論はとても複雑化しやすいように思います。
雑な言い方をする酵素製品などの説明文や広告文では、このような文言がよく見られます。
酵素をたくさん食べて補いましょう!
この「酵素の減少分を外から補おう!」という考え方については、「外から酵素を補っても意味がありませんよ」とおっしゃる専門家が多いようです。
体内で働く酵素を外部から補うことはできない
NHKの「あさイチ」という番組内で酵素がテーマとして取り上げられたとき、愛知学院大学の大澤俊彦教授が酵素をとる目的と、目的によっては「酵素は意味ない」ことを説明してくださいました。
“体内で働く酵素”を外部(口)から直接補うことはできないからです。
参考:http://www.nstimes.info/06-2012/honto.html
それでも「酵素は意味がある」理由
でも、大澤俊彦教授は酵素自体が意味がないとはおっしゃっていません。
直接口から酵素を摂りいれようとしても意味がないかもしれませんが、食物が持っている食物酵素を使って、消化器官に負担をかけないことは大きな意味があるとおっしゃっています。
また、消化酵素づくりに必要なエネルギー、原料となるアミノ酸、ビタミンやミネラルなどの消耗は抑えられ、他の代謝に支障がでなくなります。つまり、体のあらゆるトラブルの回避/改善が見込めるということ。
参考:http://www.nstimes.info/06-2012/honto.html
発酵食品は意味がある?!
発酵食品は、生物が起こす酵素反応によって物質を分解し、食品中の成分を別のものに変えたもののことを言います。
もともと食品が持っている成分以外のビタミンやミネラル、酸などが、酵素反応によってつくられるため、味が変わったり、栄養素が変わったりします。
・発酵食品は、食べる前から消化・吸収しやすい状態になっている
この2つの意味においては、発酵食品は意味があると考えることが出来そうです。
酵素は意味ない説まとめ
酵素は意味があるのか、それとも意味がないのか・・・その結論は、目的によって異なります。
体外酵素を体内酵素と同じように働かせようとするのは難しそうですが、発酵によって栄養素が増えて消化しやすくなった発酵食品を食べることは、カラダに優しいように思います。
私たちは正直あんまりよく酵素の仕組みをしらないまま、発酵食品だけは食べてきました。笑
人類の知恵ですよね!まだまだわからないことはたくさんありますが、酵素栄養学は本当に面白いですね。私も引き続き勉強したいなと思います♪
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