酒粕・粕汁のアルコール度数はどのくらい?飲酒運転になる可能性を大検証!

粕汁好きな人
酒粕を使った粕汁や粕漬けのアルコール度数はどのくらい?食べたら運転しないほうがいいのかな?

今回は、こんな疑問にお答えします。

本記事の結論
・酒粕や粕汁でも飲酒運転になって罰金を払った人がいる!
・酒粕や粕汁のアルコール量は少ないが、人によってアルコール分解スピードは違うので注意が必要

酒粕は日本酒を作るときに出るもろみの絞りかすのこと。

日本酒に浸っているので、アルコールが含まれているのは有名な話です。

そして、この酒粕を使って作る粕汁も薄まっているとはいえ、アルコールが含まれているのは想像しやすいですよね。

でも、酒粕が含まれた粕汁やお漬物を食べた後に車の運転をしたら、飲酒運転になってしまうのでしょうか?

今回は、・粕汁のアルコール度数はどのくらいなのかを大検証!酒粕・粕汁のアルコールで飲酒運転になってしまう可能性や実際の事件例もあわせてご紹介したいと思います。

長谷川ろみ
この記事を書いた人:腸活研究家 長谷川ろみ詳しくはこちら

・粕汁とは?

まずは、・粕汁が一体どんなものなのか整理してみましょう。

酒粕とは?

酒粕は、日本酒(液体)を作るために絞った時に残る、白い固形物・カスのことです。


=日本酒(液体)を作るために絞った時に残る、白い固形物・カスのこと

酒粕の中には日本酒が出来るまでの発酵の過程で発生した、ビタミンや乳酸菌や酵母菌がたくさん含まれていて、栄養価が高いことが知られています。

長谷川ろみ
カスとは言え、日本酒本体よりも酒粕のほうが栄養価が高いと言う方も多いんですよ。

酒粕の栄養素

日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると、酒粕100gあたりの栄養素は以下のとおり。

エネルギー:215 kcal
水分:51.1g
:14.9g
脂質:1.5g
炭水化物:23.8g
ナトリウム:5mg
カリウム:28mg
カルシウム:8mg
マグネシウム:9mg
リン:8mg
鉄:0.8mg
亜鉛:2.3mg
銅:0.39mg
ビタミンB1:0.03mg
ビタミンB2:0.26mg
ビタミンB6:0.94mg
ビタミンB12:0μg
葉酸:170μg
パントテン酸:0.48mg
水溶性食物繊維:0g
不溶性食物繊維:5.2g

酒粕は、特にビタミンB群やタンパク質、繊維質が多く含まれる、栄養価の高い食べものです。

腸のぜん動運動を高めると言われるマグネシウムはもちろん、不溶性食物繊維も多く含まれているので、便秘解消や腸内環境の改善にもよいと言われています。

長谷川ろみ
栄養素はもちろんだけど、麹菌もたくさんふくまれている発酵飲料「日本酒」の搾りかすですからね!腸内細菌はアルコールに弱いから食べ過ぎはだめだけど、腸には良い影響があると言われています。好きな人は酒粕を焼いておせんべいにしてポリポリ食べてますよね。笑

粕汁とは?

粕汁は、その酒粕を加えて煮込んだ日本の汁物です。

粕汁
=酒粕をだし汁加えて味噌や醤油で味付けし、野菜や肉・魚を入れて、煮込んだ日本の汁物

作り方はいろいろですが、一般的にはだし汁に酒粕を溶かして、お味噌やお醤油で味を整えたもの。

具材は、地域によっても大きく異なりますが、ごぼうや大根、ニンジンなどの根菜やきのこ類、豚肉や鮭などのタンパク質を加えて、ネギを散らすのが一般的です。

粕汁の栄養素

粕汁の栄養成分は、入っている具材などによって大きく変わるので、ひとことで説明できません。

必ず入れるのは「」ですので、栄養素も「酒粕」を水で薄めたものと考えて間違いはありません。

粕汁(お椀一杯 176g)の栄養成分は、約100kcalほどで糖質量は6g程度だと言われています。

カロリー:107kcal
糖質量:6.04g

引用:カロリーSlism https://calorie.slism.jp/200407/

粕汁は酒粕の栄養素の影響が強いので、特にビタミンB群やタンパク質、繊維質が多く含まれます。体を温め、冷え性にも効くと言われてます。

・粕汁のアルコール度数はどのくらい?

栄養たっぷりの酒粕・粕汁ですが、そのアルコール量はどのくらいなのでしょうか?

酒粕のアルコール度数

日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると、酒粕100gあたりのアルコール量は以下のとおり。

アルコール:8.2g

なんと、アルコールは100gあたり8.2g!

約8%と考えると、弱めのサワー系アルコール飲料よりもずっとアルコール度数が高いことになります。

妊婦さんや子どもは酒粕を食べ過ぎないようにとよく注意されますが、その理由はこのアルコール度数の高さにあります。

長谷川ろみ
「ほろよい」でも酔っちゃう人は、酒粕をかじると酔っちゃうぐらいのアルコール量です。なかなか酒粕をそのままかじる人はいないと思うけど。笑 もちろん酒粕とひとことに言っても、日本酒を作る時の材料にもよるので、あくまでアルコール度数8%というのは目安です。

市販のお酒のアルコール度数は3%ぐらいからあるので、普通のお酒と同じくらいのアルコール度数と言っても過言ではありません。

ビール:3-9%
ワイン:10-15%
日本酒:15%前後
焼酎:20 – 30%

粕汁のアルコール度数

一方、粕汁のアルコール度数は、中に入れる酒粕の量次第なので、作り方によって違います。

酒粕100g中には、約8%のアルコールが含まれているので、8%が目安になりますが、粕汁を作るまでの過程で熱を加えるのでアルコール度数は若干低くなります。

酒粕を製造販売している株式会社小林春吉商店では、食品分析センターで自社の酒粕、自社の酒粕を使って作った粕汁、自社の酒粕を使って作った甘酒のアルコール度数を分析しています。


➁粕汁:だし汁(720cc)と具材を煮たものに、酒粕200gを入れて4分弱火で煮立てたもの
➂甘酒:水800ccに酒粕200gを加えて、弱火で13分煮立てたもの

この内容によると、それぞれのアルコールの残留量は以下になりました。

:100g中9.3g(5.5%のビール212ml飲んだアルコール量と同じ。)
➁粕汁:100g中1.8g(200g食べると、5.5%のビール82ml飲んだアルコール量と同じ。)
➂甘酒:100g中1.7g(200g飲むと、5.5%のビール78ml飲んだアルコール量と同じ。)

引用:株式会社小林春吉商店ホームページ https://sakekasu.exblog.jp/5140196/

缶ビールが200ml入りだとしたら、粕汁も甘酒も缶ビール半分弱飲んだのと同じぐらいのアルコール量であることが分かります。

長谷川ろみ
うーん…。弱い人は酔ってしまうアルコール量ではありますね。もちろんもっと強く煮立たせて作れば、アルコール量はもっと減ると予想できます。

・粕汁のアルコールで飲酒運転になる可能性

酒粕・粕汁にアルコールが含まれることはわかりました。

では、酒粕・粕汁が原因でいわゆる飲酒運転=「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」に該当する可能性はあるのでしょうか?

飲酒運転「酒気帯び運転」「酒酔い運転」の定義

道路交通法では、飲酒運転には2種類あります。

酒気帯び運転
=呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上検出された状態
酒酔い運転
=まっすぐに歩けない、受け答えがおかしいなど客観的に見て酔っている状態

飲酒運転(酒気帯び運転、酒酔い運転)になるかどうかは、「お酒をどれくらい飲んだか?」「粕汁をどのくらい飲んだか?」「粕漬けをどのくらい食べたか?」が定義ではありません。

たとえアルコール分1%未満のノンアルコール飲料でも、たとえアルコールがほぼ蒸発しているであろう粕汁でも、体質によっては酒気帯び運転になる可能性があるのです。

長谷川ろみ
ここが飲酒運転のワナなんですよ。飲んだお酒ベースではなくて、吐いた息がベースなんです。そうなると、酒粕でも十分に飲酒運転(酒気帯び運転)になる可能性がありますね。

アルコールの分解能力は人によって異なる

人間のカラダには「体質」というものがあり、アルコールの分解能力も人によって違います。

アルコールの代謝に大きく関係がある臓器は、胃と小腸、そして肝臓です。

一般的には男性よりも女性のほうが肝臓が小さく、代謝能力が低い傾向があります。

長谷川ろみ
特に女性はアルコールに弱くなりがちなので、酒粕や粕汁のアルコールで酔っぱらってしまったり、体調を崩す方もいるみたい。注意が必要ですね。

このように、アルコールの分解能力は人によって全く違います。

身体の大きさや肝臓の状態、その日の疲労具合など、アルコールの分解能力はいろんな条件によって異なるので、正確に酒粕・粕汁のアルコール量をはかって気を付けていたとしても、飲酒運転に100%ならない状態を作るのは難しいことがわかります。

呼気中アルコール濃度と血中アルコール濃度の違い

東海大学で医用生体工学の研修をされている高原太郎先生のホームページによると、血中アルコール濃度を5倍にしたものが、呼気中アルコール濃度なのだそうです。

呼気中アルコール濃度(mg/L) = 5 x 血中アルコール濃度(%)
参考:http://teleradiology.jp/MRI/11_misc/alchol/

呼気中アルコール濃度0.15ml/lを超えると飲酒運転になるというのを血中アルコール濃度に変換すると、通常は「アルコール血中濃度が0.03%」を超えると飲酒運転(酒気帯び運転)の範囲になるということですね。

サントリーさんのホームページには、アルコールの血中濃度を飲酒量から求める参考式が掲載されていました!

アルコールの血中濃度(%)
=飲酒量(ml)×アルコール度数/833×あなたの体重〇㎏

参考:http://www.suntory.co.jp/arp/alcohol_calculation/

この計算式によると、体重65kgの男性の場合、缶ビール1本でもう範囲外!

ちょっと粕汁を飲むぐらいならいいか…では、飲酒運転に該当しても全くおかしな話ではありません。

長谷川ろみ
酒粕を使った粕汁ぐらいなら大丈夫!という考えはちょっと危険。運転時は酒粕を使った料理である粕汁、粕漬けには注意が必要です。

\コミュニティ・定例会参加で「発酵ライフ」を楽しく学ぼう(^O^)/
》》口コミ・体験談はコチラからチェック!

有資格者限定のオンライン発酵定例会勉強会を随時開催中

酒粕・粕汁のアルコールで飲酒運転になった実際の事件

ここからは実際に酒粕・粕汁のアルコールで飲酒運転になった事件を見てみましょう。

警察庁の見解➀ 粕汁のアルコールで飲酒運転になるのか?

2007年に酒粕を使った粕汁を食べた神戸市の小学校教員が酒気帯び運転で摘発された事件がありました。

この事件では、呼気1リットル中0.15ミリグラムのアルコールが検出されたため、粕汁のアルコールで罰金20万円の略式命令を受けています。

事件の内容は以下の通りです。

・小学校教員が酒粕で作られた粕汁を2杯食べた
・約2時間後に車で帰宅した際に検問を受けた
・呼気1リットル中0.15ミリグラムのアルコールが検出された(=酒気帯び運転に該当)
・書類送検され、罰金20万円の略式命令を受けた

引用:JCastニュース https://www.j-cast.com/2007/03/27006429.html?p=all

長谷川ろみ
なんとこの事件、続きがあるんです。酒気帯び運転で摘発されていたにもからわらず上司に報告をしなかったという理由で、その後停職6ヶ月の懲戒処分も受けています。粕汁…おそろしいなぁ…。

警察庁の見解➁ 奈良漬けのアルコールで飲酒運転になるのか?

実は酒粕などのアルコールを含む食べ物を食べた場合のアルコール呼気中濃度に関しては、警察庁も実験を行っています。

実験内容は以下の通り。

以下の酒粕やウイスキーを使ったアルコール入りの食べ物を食べた後、アルコールの呼気中濃度がゼロになるまでには、どれくらいの時間が必要か調査したところ、約20分必要だった。

・奈良漬け50g(7切れ)
・ウィスキーボンボン3個

酒粕・粕汁のアルコールの飛ばし方

運転をする際は、どちらにしろ食べないほうがいい酒粕・粕汁。

実際に察庁の見解を見ると、運転する必要があるときはアルコールが入った食べ物は危険です。

もちろん以下のような対応でアルコール呼気中濃度を減らすことは可能ですが、100%回避できる方法ではありません。

・アルコールを飛ばすために長時間火にかける
・食べてから時間をおいて運転する
長谷川ろみ
やっぱり酒粕・粕汁を食べるときは、運転しなくていい時に限りますね。電車移動最高!

まとめ ~粕汁・酒粕のアルコール度数と飲酒運転になる可能性~

可能性は高くはありませんが、粕汁・酒粕を食べただけでも、道路交通法上の飲酒運転に当たることはあり得ます。

酒気帯び運転
=呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上検出された状態

酒気帯び運転に該当するかどうかは、飲んだアルコール量ではなく、吐いた息の1リットル中のアルコール濃度に関係するからです。

人によって、また体調によって飲んだアルコールを分解できる速度は変わるので、粕汁・酒粕などに含まれる微量のアルコールであっても、酒気帯び運転に影響しない保証はありません。

粕汁・酒粕を食べる時は、車を運転せず、電車移動できる時にするのが安全です。

参考にしてみてね。

長谷川ろみ
この記事を書いた人:腸活研究家 長谷川ろみ詳しくはこちら

\コミュニティ・定例会参加で「発酵ライフ」を楽しく学ぼう(^O^)/
》》口コミ・体験談はコチラからチェック!

有資格者限定のオンライン発酵定例会勉強会を随時開催中