普通の大豆のまま発酵したものが粒納豆で、それを細かく刻んだらひきわり納豆になると思っている方、それは実は間違いです!笑
ひきわり納豆と粒納豆は、まったく違う製造工程を経て作られる別物なので、栄養価もかなり違うのがおもしろいところ。
自分に合った納豆を選ぶために、今回はひきわり納豆と粒納豆の違いや栄養素をおさらいしてみましょう。
目次
ひきわり納豆と粒納豆の違い
まずは、ひきわり納豆と粒納豆の大まかな違いを
材料が違う!
ひきわり納豆を食べると、なんだか歯ごたえがすごくやわらかいことに気がつきませんか?
そう、ひきわり納豆には、「大豆の皮」が含まれていない</span>のです。
粒納豆は大豆をそのまま使うのに比べて、ひきわり納豆は大豆を割って皮を取り除くところから始まります。
皮があるのとないのとじゃ、栄養価が変わってくるのもうなずけますよね。
皮がない分、熱もよく通しますし、発酵時間が短くなるのも特徴です。皮がないだけで、歯ごたえや風味にも大きな影響があります。
製造工程が違う!
皮を最初にとってしまうだけではなく、その後の製造工程もひきわり納豆と粒納豆は全く違います。
大豆を水に浸す(皮付きのまま)
↓
煮る
↓
納豆菌をまぶす
↓
発酵
大豆を細かくつぶす
↓
皮を取り除く
↓
水に浸す
↓
煮る
↓
納豆菌をまぶす
↓
発酵
こうやって比べてみると、ひきわり納豆のほうが工程が多いですね。でもその後の発酵の段階では、ひきわり納豆のほうが短い時間で済みます。
ひきわり納豆と粒納豆の栄養素
ひきわり納豆と粒納豆は、製造工程やもともとの材料が全く違うため、栄養素がかなり異なります。
文科省の「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」で、その違いを比べてみましょう!
カロリーの違い
粒納豆のほうがカロリーは多め。とはいってもあまり変わらないといえるでしょう。
ひきわり納豆:194kcal/100 g
たんぱく質の違い
たんぱく質も大きな変化はなし。
ひきわり納豆:16.6 g/100 g
食物繊維の違い
食物繊維はやっぱり皮を除いてしまっているせいか、粒納豆に軍配が上がります。でも消化しやすいのはひきわり納豆のほうでしょうね。
粒納豆:2.3 g/100 g
ひきわり納豆:2.0 g/100 g
▼不溶性食物繊維
粒納豆:4.4 g/100 g
ひきわり納豆:3.9 g/100 g
ビタミンの違い
驚きだったのがビタミンの違い!特に大きく違うのは、ビタミンK、ビタミンB1、パントテン酸、ビオチンでした。
皮が入っている分、絶対的に粒納豆のほうが栄養がある気がしていた方も多いと思いますが、ひきわり納豆のビタミンK、すごくないですか?笑
ビタミンK 600µg/100 g
ビタミンB1 0.07mg/100 g
パントテン酸 3.60mg/100 g
ビオチン 18.2µg/100 g
ひきわり納豆:
ビタミンK 930µg/100 g
ビタミンB1 0.14mg/100 g
パントテン酸 4.28mg/100 g
ビオチン ―µg/100 g
ビタミンKは、骨の健康を保つビタミンだといわれていて、特にカルシウムなどと一緒にとることが推奨される大事なビタミンです。骨粗しょう症の治療薬としても使われています。
また最近注目のパントテン酸もひきわり納豆のほうが多いんです。パントテン酸は、ビタミンB群のひとつで、エネルギーの代謝を助ける働きがあります。
ダイエットやデトックスにも関係があるということですね。
また、抗ストレス効果や、動脈硬化を予防する効果も最近は注目されていて心身ともに健康を保つために大切な役割をしてくれる栄養素です。
ひきわり納豆と粒納豆の違いまとめ
ひきわり納豆と粒納豆は、まったく違う製造工程をたどって作られることがわかりました。単純に粒納豆を細かくきって、ひきわり納豆にしているわけではないんです。
だから、栄養素も大きく異なります。
食物繊維やタンパク質は、粒納豆が多いけど、ビタミンKやパントテン酸が気になるならひきわり納豆がおすすめです。
ひきわり納豆は、皮がない分消化が良いといわれているので、消化する力が弱い方や赤ちゃん、お年寄りなどにはいいかもしれませんね。骨も丈夫にしてくれるしね。
なんとなく栄養が減ってしまう気がして、ひきわり納豆を避けている方がいたとしたらもったいないです。笑
ひきわり納豆も粒納豆も両方たべてみてくださいね。