
今回は、こんな疑問にお答えします。
・ぬか漬けにするだけで、ビタミンB1は8倍以上、カリウムやマグネシウムは3倍以上に増える
・ぬか漬けは栄養がいっぱいで、腸内環境の改善や生活習慣病の予防が期待できる
・塩分の採りすぎにならないように、ぬか漬けの塩分を減らすことは常に意識しよう
おうち時間が増え、運動する機会が減り、ちょっとだけ仕込みの手間をかけた料理が作りやすくなったことで、「ぬか漬け」を始める人が多くなっています。
ぬか漬けは健康によい食べものとして人気がありますが、実際になぜ健康によいのか説明できる人は少ないのではないでしょうか?
そこで今回は、ぬか漬けの栄養と効果効能について大解説!1日に食べる最適量と食べ過ぎのリスクもまとめてみました。

目次
ぬか漬けとは?
ぬか漬けは、米ぬかに塩、水などを混ぜて、野菜などを漬けてつくるお漬物のことを言います。
=米ぬかに塩、水などを混ぜて、野菜などを漬けるお漬物のこと

ぬか漬けの歴史
ぬか漬けの歴史は、江戸時代までさかのぼります。
精米技術が発達したことで、きちんと白米とぬかを分けられるようになったのがはじまり。
残されたぬかを有効活用するための1つの手段として、ぬか漬けは発展しました。

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ぬか漬けが健康に良いと言われる理由
ぬか漬けが健康に良いと言われる主な理由は、以下の2点です。
理由➁ 発酵によって栄養バランスが良くなる
一つずつ見ていきましょう。
理由➀ 植物性乳酸菌がたくさん含まれる
ぬか漬けには、強く丈夫な「植物性乳酸菌」がたくさん含まれます。
乳酸菌には、乳製品などに多く含まれる動物性乳酸菌と、野菜や果物などに多く含まれる植物性乳酸菌があります。
植物についている乳酸菌は、過酷な自然の中で育っているため、エサがなかなか手に入らない環境でも増殖しやすく、丈夫で強い生命力があるという特徴があります。
ぬか漬けは、植物性乳酸菌がたっぷり含まれているという意味で注目されていて、野菜などシンプルかつ食物繊維がたっぷりの具材と合わせて食べるので、腸内環境を整える「腸活」にはぴったりなおかずです。

理由➁ 発酵によって栄養バランスが良くなる
ぬか漬けは、乳酸菌などの発酵によって、糖やたんぱく質が分解され、たくさんの栄養素が生まれます。
ぬか自体にもビタミンB群やカリウムがたっぷり含まれているので、そこに漬け込んだ野菜などの栄養価もアップします。

例えば、シンプルな味で人気のきゅうりのぬか漬けと、生食きゅうりの栄養素を比べてみましょう。
きゅうり(生) | きゅうり(ぬか漬け) | |
---|---|---|
エネルギー(kcal) | 13 | 28 |
水分(g) | 95.4 | 85.6 |
たんぱく質(g) | 1 | 1.5 |
脂質(g) | 0.1 | 0.1 |
炭水化物(g) | 3 | 6.2 |
食塩相当量(g) | 0 | 5.3 |
B1(mg) | 0.03 | 0.26 |
B2(mg) | 0.03 | 0.05 |
カリウム(mg) | 200 | 610 |
マグネシウム(mg) | 15 | 48 |
リン(mg) | 36 | 88 |
水溶性食物繊維(g) | 0.2 | 0.4 |
不溶性食物繊維(g) | 0.9 | 1.1 |
※日本食品標準成分表2020年版(八訂)より作成
ぬか漬けにすることで、特にぐんと増えるのはビタミンB群やカリウム、マグネシウムです。
ビタミンB1はなんと8倍以上に、カリウムやマグネシウムは3倍以上に増えるというから驚きです。

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ぬか漬けに含まれる注目の栄養素
ぬか漬けにすることで、生食より一気に増えた注目の栄養素は以下の通りです。
栄養➁ カリウム&マグネシウム
栄養➂ γ-オリザノール
一つずつ見ていきましょう。
栄養① ビタミンB群
ビタミンB群は、ぬか漬けにすることで増える栄養素のひとつです。
特に大きく増えるのは、代謝を助けるビタミンB1とビタミンB2です。
=水溶性ビタミンの一種。炭水化物(糖質)の代謝を促す
=神経や筋肉の機能を正常に保ち、疲労回復に役立つ
=水溶性ビタミンの一種。エネルギー代謝を助ける。
=皮膚や粘膜を健やかに保つ
1996年に広島大学が報告した研究(※1)によると、ビタミンB1を摂取するだけで、軽度アルツハイマー病の患者の認知機能が改善したことがわかっています。
この研究で摂取したビタミンB1は1日100mg、継続期間は約12週間です。

栄養➁ カリウム&マグネシウム
カリウムとマグネシウムも、ぬか漬けにすることで増える栄養素です。
=ナトリウム(塩分)の排泄をしてくれるミネラル
=高血圧やむくみを予防する効果がある
=体内にある酵素(約300種類以上)のはたらきをサポートするミネラル
=カルシウムと一緒に丈夫な歯や骨を作る
=血糖値やコレステロール値の調整を行い、糖尿病の予防をする
マグネシウムは、体内にある酵素のはたらきをサポートするため、体のさまざまな機能に関わっていると言われています。
特に腸活中の方にとっては、腸内のぜん動運動を正常化し、腸内の水分量を適切にする効果もあるので、不足しないように注意したい栄養素の一つです。
また近年増えている糖尿病の予防になるという点も注目されています。
2006年にアメリカのハーバードメディカルスクールから発表された報告(※2)によると、マグネシウムのサプリメントを1日360mg、4週間~16週間にわたり摂取しただけで、空腹時血糖値が改善されたとのこと。
マグネシウムも不足しないように注意したい栄養素ですね。



栄養➂ γ-オリザノール
γ-オリザノールは、米ぬかや米油に多く含まれるポリフェノールの一種です。
=米ぬかに多く含まれるポリフェノールの一種。
=血行改善効果、コレステロール低減効果が注目されている
ポリフェノールは全般的に高い抗酸化力が注目されていますが、その中でも血中コレステロールを調整して、自律神経のはたらきを調整したり、動脈硬化を予防すると言われています。
γ-オリザノールはポリフェノールの一種で、高い抗酸化力があるとされている成分です。血行をよくする作用や、悪玉コレステロールを減らし善玉コレステロールを増やすはたらきがあります。また、自律神経のはたらきを助ける作用により、脳の機能の改善に役立つ成分でもあります。
イノシトールは体内で筋肉や神経細胞に多く存在しています。脳の活動や神経伝達の正常化に不可欠な栄養素であるほか、髪の健康を保ったり、肝臓への脂肪の蓄積を防いだりと、幅広いはたらきがあります。(※7,8)

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ぬか漬けの効果効能
ぬか漬けに期待する効果効能は以下のとおりです。
効果効能➁ 免疫力アップ
効果効能➂ 動脈硬化の予防
効果効能➃ ダイエット&美肌サポート
一つずつ見ていきましょう。
効果効能➀ 腸内環境の改善
ぬか漬けの効果効能の1つ目は、腸内環境の改善です。
植物性乳酸菌の菌体がたくさん採れるのはもちろん、マグネシウムやカリウムなどの腸内環境の調整を助ける栄養素もたくさん含まれています。
また、ぬか漬けのすごいところは食物繊維がたっぷりの野菜も一緒に採れるところです。食物繊維は腸内細菌、特に善玉菌のエサになり、腸内環境の改善を助けてくれます。
効果効能➁ 免疫力アップ
ぬか漬けの効果効能の2つ目は、免疫力アップです。
ヒトの免疫細胞の7割は小腸に集まっているため、腸内環境が整うと免疫細胞の働きも正常化し、免疫力アップにつながることが知られています。
ぬか漬けの腸内環境改善効果が、結果的に免疫力アップにつながり、風邪やインフルエンザにかかりにくくなったり、花粉症やアレルギーが緩和します。

効果効能➂ 動脈硬化の予防
ぬか漬けの効果効能の3つ目は、動脈硬化の予防です。
栄養素についての説明でもコレステロール値の低下や血行を良くする機能について説明しましたが、ぬか漬けに含まれる以下の栄養素は、すべて動脈硬化予防をサポートしてくれる機能が期待できます。
カリウム・マグネシウム
γ-オリザノール
しなやかな血管を作り、生活習慣病を予防するために必要な栄養素がバランス良く含まれているのもぬか漬けのスゴイところです。
効果効能➃ ダイエット&美肌サポート
ぬか漬けの効果効能の4つ目は、ダイエットサポートです。
もちろんぬか漬けを食べ過ぎては元も子もないですが、適量であれば代謝を良くして、酵素の働きを良くする成分がたくさん含まれているぬか漬けは、ダイエットもサポートしてくれます。

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ぬか漬けの食べ過ぎリスク
ぬか漬けはおいしくて栄養満点ではありますが、食べ過ぎはNGです。
その理由は、塩分量の多さです。

世界界保健機構(WHO)が1日に推奨している塩分量は、5.0g。
日本人の食生活はそもそも世界では塩分が多いほうなので、厚生労働省が推奨する日本人の食事摂取基準では、若干多めの男性7.5g/日未満、女性6.5g/日未満が目安になっています。
ぬか漬けをたくさん食べてしまうと、すぐに推奨量を超えてしまうので、食べ過ぎには注意が必要です。
例えば、きゅうりのぬか漬けは100g中に5.3gの食塩が入っています。
きゅうりのぬか漬けを輪切りにして、3切れ程度つまんだ場合、すでに1g以上の塩分を摂取してしまう計算になります。

ぬか漬け1食分はどのくらい?
定食屋さんなどでぬか漬け1食分として、大体3切れ程度が盛られています。
自宅で食べるときもおいしいからと言って大量に食べないで、20g程度に抑えたいところです。
1食分のぬか漬けを食べた時の塩分量は、以下の通りです。

100g中の塩分量(g) | 3切れ分(20g)の塩分量(g) | |
---|---|---|
かぶ(皮付き)のぬか漬け | 2.2 | 0.4 |
なすのぬか漬け | 2.5 | 0.5 |
だいこんのぬか漬け | 3.8 | 0.8 |
きゅうりのぬか漬け | 5.3 | 1.1 |
かぶ(皮なし)のぬか漬け | 6.9 | 1.4 |
引用:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

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ぬか漬けの塩分を減らす方法
ぬか漬けの塩分を減らす方法は以下の通りです。
方法➁ 少し水につけて水抜きする
方法➂ ぬかをしっかり落とす
番外編 カリウムを含む野菜を選ぶ
一つずつ見ていきましょう。
方法➀ 漬ける時間を減らす
ぬか漬けの塩分を減らす方法の1つ目は、漬ける時間を減らすことです。
漬ければ漬けるほど味が濃くなるのはあるあるですが、一定の味がついたらすぐにぬかから引き上げるほうが、塩分量を気にせずに済みます。
ほったらかしにしてしまうと、どんどん塩分を吸ってしょっぱいぬか漬けになってしまうので注意が必要です。

方法➁ 少し水につけて水抜きする
ぬか漬けの塩分を減らす方法の2つ目は、少し水につけて水抜きすることです。
水に漬けると水溶性ビタミンは流れてしまうので、なるべく浅漬けにして早くぬかから上げるほうがよいのですが、忘れてしまってほったらかしてしまったら、水につけて塩抜きすることもできます。
方法➂ ぬかをしっかり落とす
ぬか漬けの塩分を減らす方法の3つ目は、ぬかをしっかり落とすことです。
ぬかがついたまま食べないと栄養がちゃんと摂れないと思っている人がたまにいますが、そんなことはありません。ぬかをちゃんと落としても、発酵のちからで栄養素はすでに分解されていて、十分に栄養素は増えています。
むしろぬかの塩分のほうが心配なので、しっかりおとしてから食べましょう。
番外編 カリウムを含む野菜を選ぶ
ぬか漬けの塩分を減らす方法の番外編は、カリウムを含む野菜を選ぶことです。
カリウムには無駄な塩分を体外に排泄してくれるので、塩分の多いぬか漬けを食べる時は一緒に採りたいところです。
ほうれんそう
かぼちゃ
ごぼう
にんじん
だいこん
なす など

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まとめ~ぬか漬けの栄養・効果効能・塩分リスク~
ぬか漬けは、米ぬかに塩、水などを混ぜて、野菜などを漬けてつくるお漬物のことを言います。
=米ぬかに塩、水などを混ぜて、野菜などを漬けるお漬物のこと
ぬか漬けにすることで、栄養素はぐんと増えますが、中でもビタミンB群やカリウム、マグネシウムの増加量は激しく、ビタミンB1はなんと8倍以上、カリウムやマグネシウムは3倍以上に増えるというから驚きです。
栄養➁ カリウム&マグネシウム
栄養➂ γ-オリザノール
栄養素が増えることで、たくさんの期待効果が注目されています。
効果効能➁ 免疫力アップ
効果効能➂ 動脈硬化の予防
効果効能➃ ダイエット&美肌サポート
栄養たっぷりのぬか漬けですが、食べ過ぎは禁物です。食べ過ぎると簡単に1日の塩分量を超えてしまうから。
ぬか漬けの塩分を減らす方法は以下の通りです。
方法➁ 少し水につけて水抜きする
方法➂ ぬかをしっかり落とす
また、積極的にカリウムを含む野菜(=ごぼう・だいこん・なす)を食べて、塩分を体内に貯めないようにしましょう。
発酵食品を作る発酵菌は、わたしたちのカラダだけではできないいろんな栄養を作り、健康や美容のサポートをしてくれます。
健康&美容にいい習慣を続けたい方は発酵ライフアドバイザーとして、勉強を続けるのもおすすめです。
参考にしてみてね。
参考文献~ぬか漬けの栄養・効果効能・塩分リスク~
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8815393
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16978367
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